田中貴金属工業が毎日公表している金の店頭小売価格(税込)は、高騰が続いています。
2026年1月には1グラムあたり2万9815円という過去最高値を記録し、2月5日時点でも2万8000円に迫る高値圏で推移しています。
これほどの価格上昇を目の当たりにすると、「今から金投資を始めるのはもう遅いのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、長期的な視点でコツコツと資産を形成する「純金積立」であれば、スタートするタイミングとして遅すぎるということはないでしょう。この記事では、2015年末までのデータを使用し、「毎月1万円を10年間」積み立てた場合の運用成績をシミュレーションします。投資元本120万円がどのように変化したのか、具体的な数値で見ていきましょう。
1. 毎月1万円の純金積立を10年間継続した結果は?2016年~2025年の実績を基にシミュレーション
過去10年間の金価格の劇的な動向を基に、純金積立を継続した場合の資産の増え方を、最新の価格水準でシミュレーションしてみましょう。
1.1 シミュレーションの基本設定
- 積立期間:2016年1月~2025年12月の10年間
- 積立方法:毎月1万円ずつ定額で購入する「ドルコスト平均法」を適用(買付は各月の初回営業日の価格を基準)
- 積立回数:合計120回
- 購入手数料:税込1.65%と仮定。手数料を差し引いた9835円を毎月の金購入資金とします。
- 評価価格:2026年2月時点の価格水準(1グラムあたり2万7000円)で計算
1.2 投資元本と手数料の詳細
- 投資総額(元本):1万円 × 120カ月 = 120万円
- 手数料合計:165円(1万円の1.65%) × 120カ月 = 1万9800円
- 金購入資金の合計:120万円 - 1万9800円 = 118万200円
1.3 10年間の運用実績シミュレーション
2016年から2025年末にかけて、金価格は1グラム4000円台から2万円を超える水準へと歴史的な上昇を記録しました。
2026年1月末には、2万9815円と3万円台に迫る場面も。2月現在は過熱感が一服し、価格は2万7000円台に落ち着いています。
この状況下で、10年間コツコツと積み立てた場合の最終的な運用結果は以下の通りです。
- 購入した金の合計量:約149.23グラム(平均購入単価:約7908円/グラム)
- 2026年2月の評価額(1グラム2万7000円):149.23グラム × 2万7000円/グラム = 402万9210円
- 運用益:+282万9210円
※売却時の買取価格や税金は考慮していません
上記の試算では、運用益が投資元本を約235%上回り、資産は約3.3倍にまで膨らんだことになります。
2016年当時は4000円台だった金価格が、2026年初頭には2万7000円に達したことで、積立初期に安く仕込めていた「貯金(金地金)」の価値が爆発的に高まったことが要因です。
この結果で特に注目すべきは、「ドル・コスト平均法」の有効性です。 10年という長い月日の中には、価格が一時的に停滞した時期もありました。しかし、価格が安い時期に自動的に多くの量を買い増していたことが、現在の高値相場において強烈なプラスのレバレッジとして作用しています。
相場の波に一喜一憂せず、淡々と積み立てを継続することが、長期的な資産形成においていかに強力な武器になるかを証明する結果となりました。
