2. 【高額療養費制度】「多数回該当の特例は維持される？」見直しの焦点とは

今回の見直しで、特に重視されているのが、長期間にわたって治療が必要な方を支える「多数回該当」のしくみです。

2.1 4回目から負担が下がる！多数回該当とは？

多数回該当とは、同一世帯で、過去12か月のうちに高額療養費の対象となった月が3回以上ある場合、4回目以降の自己負担限度額が大きく引き下げられるしくみです。

この制度があることで、がん治療など、継続的に高額な医療費がかかるケースでも、家計への負担が過度に重くならないよう配慮されています。

高額療養費「多数回該当」の場合

高額療養費「多数回該当」の場合

出所：厚生労働省「第8回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」資料・高額療養費制度について（参考資料）」

例えば、年収約370万円〜約770万円の区分では、通常の自己負担限度額が「8万100円＋（医療費−26万7000円）×1％」となっていますが、多数回該当になると、この区分では月4万4400円の定額に軽減されます。

今回の見直しでは、高額療養費制度が持つセーフティネットとしての役割を踏まえ、この多数回該当の限度額は現行水準を維持すべきという考え方が示されています。