5. 「損害保険と住宅ローンの軽減」について詳しく解説
「損害保険と住宅ローンの軽減」について、災害によって住宅や家財が損害を受けたとき、助けになるのが火災保険や地震保険、車両保険(自動車保険)などの保険金です。
詳細は、契約している損害保険会社や代理店に問い合わせのうえ、自分で契約内容を確認してください。また、災害によって、住宅ローンの返済が難しくなった場合には返済の減免を受けられる制度もあります。ここからは、一般的な例を紹介します。
「火災保険」は、火災だけでなく、台風や大雨、大雪、落雷などの風水害などによって建物や家財の損害があったとき、補償を受けられます。
保険の対象は、加入時に「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の3つから選ぶことができ、支払われる保険金は加入している損害保険会社や代理店にお問い合わせください。
「地震保険」は、地震・噴火・津波を原因とする、火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険です。地震保険は必ず火災保険とセットで加入することになっていて、地震保険だけに単独で加入することはできません。(火災保険は単独での加入が可能です)
支払われる保険金は契約内容や損害の状況によって違うので、被害を受けたときには加入している損害保険会社や代理店にお問い合わせください。
「車両保険(自動車保険)」は、車の修理費などを補償する保険です。一般的に事故や盗難による被害だけでなく、台風や大雨など風水害で自動車が被害に遭ったときも車両保険による補償が受けられますが、地震や津波、噴火などによる被害は対象外のケースもあります。
最後に、「住宅ローンの免除・減額」について解説します。
自然災害で住宅ローンやリフォームローン、事業者ローンなどの返済ができなくなった場合は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づいて免除・減額の申し出ができます。
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインとして、住宅ローンや事業者ローンなどの返済が困難な場合、破産手続と再生手続などによって債務整理する方法があります。
ただ、それらを行うと官報に債務者の名前が記載され、個人信用情報として登録されてしまいます。自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインは、そうしたデメリットを回避し、裁判所の特定調停を利用して債務整理をする方法です。
- 個人信用情報として登録されないため、新たな借入れに影響が及ばない
- 国の補助により弁護士などの「登録支援専門家」が無料で手続を支援してくれる
- 財産の一部をローンの支払いに充てずに手元に残すことができる
などのメリットがあるので、利用を検討するべきです。
いかがでしたでしょうか。
被災した場合、その後の生活を続けるためにさまざまな国や自治体の支援を受けるべきです。災害から早く立ち直るためにも、しっかりと制度を理解することが大切だといえます。
6. 防災対策にかける予算のアンケート結果を紹介
最後に、記事の内容にちなんで、防災対策にかける予算のアンケート結果についてご紹介します。
防災グッズブランド『Defend Future』、アウトドアポータブル電源ブランド『PowerArQ』を運営する株式会社G.Oホールディングスが、男女300名を対象に、防災・災害に関する意識調査を実施。
防災対策にかける予算のアンケート結果は、「5000円以上1万円未満」が49%で最も多い結果となりました。
いつ起きるかわからない災害、万が一の時のために、しっかり防災対策をしていきましょう。
参考資料
- 株式会社G.Oホールディングス「防災・災害に関する意識調査-防災対策に取り組んでいるのは71%だが、防災の家計予算は1万円未満が多数」(NEWSCAST)
- 政府広報オンライン「被災したときの生計の維持」
- 【発生から詳しく】青森県で震度6強 初めて「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」を発表 16日午前0時まで“特別な備え”呼びかけ
LIMO編集部
