2025年も残りわずかとなり、寒さが一段と厳しくなってきました。毎日ファンヒーターやストーブが欠かせませんが、電気代や灯油代の値上がりが続いていて、ポストに届く検針票を見るのが怖い…そんな方も多いのではないでしょうか。
さらに、年末年始の準備も重なるこの時期は、一年で家計のやりくりに一番頭を悩ませる季節です。
こうした冬ならではの負担を少しでも軽くするために、生活保護制度には「冬季加算」という仕組みがあります。これは、暖房費などがかさむ時期に、通常の生活扶助に上乗せして支給される手当です。ただし、この加算額は全国一律ではありません。
住んでいる地域の寒さによって「級地」が分けられていて、受け取れる金額には意外と大きな差があります。
この記事では、冬季加算の支給額や地域ごとの違い、制度の背景について、わかりやすくお伝えします。
1. 「生活保護の冬季加算」とは?冬の暖房費を支援する制度の基本を解説
冬季加算は、生活保護制度の一部として厚生労働省が定めている支援策です。冬の時期に増加する光熱費などの負担を補う目的で、通常の生活扶助に加えて支給されます。
支給される期間は地域によって異なり、多くの地域では11月から翌年3月までの5か月間です。一方で、寒さの厳しい地域では10月から翌年4月までの7か月間にわたり支給されることもあります。
この制度は1951年(昭和26年)に始まり、長年にわたって運用されてきました。2025年現在も全国の都道府県で実施されており、制度の趣旨に沿って、寒冷な地域ほど支給額が多くなるよう設計されています。
この金額調整のため、全国は冬季加算地域区分(Ⅰ区~Ⅵ区)に分けられ、それぞれに基準額が設けられています。最終的な支給額は、この地域区分に加えて、世帯の人数や級地(地域の生活水準に応じた等級)を基に決定される仕組みです。