3. なぜ一律給付ではないのか?

政府が一律の現金給付ではなく、給付付き税額控除を検討している背景には、支援の「公平性」と「持続性」を高めたいという狙いがあります。

一律給付は、短期間で広く支援を届けられるというメリットがある一方で、一度きりの給付に終わりやすく、物価高が続く状況では効果が限定的になりやすいといった課題が指摘されています。

特に、生活に余裕のある世帯と、日々の支出に悩む世帯が同じ金額を受け取る仕組みでは、政策としての「効き目」にばらつきが出やすい点が問題視されてきました。

これに対して給付付き税額控除は、税制に組み込むことで、所得水準に応じて支援の厚みが自然に調整される仕組みです。

所得税を多く納めている人には減税という形で、税負担が小さい人や非課税世帯には給付という形で支援が届くため、結果として中低所得層ほど実質的な恩恵が大きくなります。

また、消費税のように「所得が低いほど負担感が重くなりやすい税」の逆進性を緩和する効果も期待されています。

物価上昇による家計への影響を、税と給付の両面から調整できる点は、一律給付にはない特徴です。

このように給付付き税額控除は、税を通じて所得を再分配するという税制本来の役割を、より精緻(せいち)に、かつ継続的に機能させるといえるでしょう。