2. 平均支給額が減少した理由

賃上げトレンドのなか、なぜ国家公務員のボーナスは減少しているのでしょうか。主な理由は、以下の2つです。

  • 給与法改正法案がまだ施行されていない
  • 昨年との「支給月数」配分の違い

国家公務員の給与に関する法律「一般職の職員の給与に関する法律」は、12月8日に国会で改正案が成立しました。しかし、ボーナスの支給基準日は12月1日のため、改正された法律にもとづく金額が未反映なのです。よって、例年よりもやや少ない金額になっています。

また、昨年と支給月数の配分が変わっているのも、要因のひとつといえそうです。国は、2024年の「一般職の職員の給与に関する法律」の改正時に、支給月数を6月期、12月期それぞれ0.05月ずつ引き上げる措置を講じました。この際、改正時期が年末だったこともあり、12月期に6月期の引き上げ分も上乗せしたため、支給月数が「2.31月」と多くなっていたのです。

2025年については、6月に0.05月、12月に0.05月と法律どおりの引き上げをしたため、支給月数は「2.26月」と2024年より0.05月少なくなっています。よって、支給額も若干昨年より少ない結果となっているのです。

2.1 実際は減っていない?

改正された「一般職の職員の給与に関する法律」が適用された場合、半期ごとに0.025月分、支給月数が引き上げられます。引き上げは12月に一括して行うため、12月のボーナスは支給月数0.05月分だけ増える見込みです。

また、改正法により国家公務員の基本給である俸給も増えるため、実際に支給される金額は昨年よりも3.3%増額の約74万6100円となります。

よって、国家公務員のボーナスは実際には減少しておらず、むしろ3%ほど引き上げられているのです。平均支給額が減少したように見えるのは、法改正が反映されておらず、支給月数の引き上げが適用されていないためなのです。

次章では、特別職のボーナスについて見てみましょう。