たった25人の例で「虐待が連鎖する」と結論づけるのは早急ですし、全ての名づけが親の欠乏感を表すものではないにせよ、虐待児の親たちが自分の子ども時代に欠乏していたものを子どもに与えたいという意思表示を曲がりなりにもしていたのかもしれない……と仮定すると、胸が痛みます。

誰かの名前を「キラキラネーム」だと感じたとき、脊髄反射のように非難することで、一見自由に見える社会でありながら、自分が歩む道を自由に決めることが難しい社会に拍車をかけている可能性もあります。

キラキラネームは生活する上で何らかの不都合がある点は否めませんが、名前に対する偏見で子どもを傷つけることのないような社会であってほしいものです。

【参考】
子供の名前が危ない』(牧野恭仁雄著、ベスト新書 2012年)
キラキラネーム」はもはや普通?平成最後の名づけ調査でわかったママ・パパの名づけ事情』(ミキハウス)

北川 和子