新年度が始まり、春らしい陽気が心地よい季節になりました。
4月の年金支給日は過ぎ、次の支給日は6月15日です。この6月の支給では、2026年度の年金額改定が反映された4月・5月分がまとめて支給されます。
ライフステージの変化が多いこの時期、ご自身の将来や夫婦の暮らしについて改めて考える方も多いのではないでしょうか。
特に60歳代を迎え、セカンドライフが目前に迫ると「他の人はどれくらい貯蓄があるのだろう」「年金だけで暮らしていけるのか」といったお金の不安は尽きないものです。
この記事では、70歳代の二人以上世帯の平均的な貯蓄額や、年金の受給額、そして日々の生活費について、公的なデータを基に詳しく解説します。
まずは平均的な姿を知ることで、ご自身の家計状況を客観的に見つめ直し、これからの生活設計を考えるヒントにしていただければ幸いです。
1. 70歳代・二人以上世帯の貯蓄は平均いくら?中央値との差から見る実情
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」を基に、「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯を含む)」の状況をグラフで見ていきましょう。
※ここでいう金融資産保有額には、預貯金の他に株式、投資信託、生命保険などが含まれます。ただし、日常的な支払いや引き落としに使う普通預金口座の残高は対象外です。
調査結果によると、「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は2416万円です。しかし、この平均値は一部の富裕層によって引き上げられている傾向があるため、より実態に近いとされる中央値は1178万円となっています。
世帯ごとの貯蓄額の分布は以下の通りです。
- 金融資産非保有:10.9%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.9%
- 500~700万円未満:6.4%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:11.1%
- 1500~2000万円未満:6.7%
- 2000~3000万円未満:12.3%
- 3000万円以上:25.2%
- 無回答:0.6%
金融資産を全く保有していない「貯蓄ゼロ」の世帯が10.9%を占める一方で、3000万円以上の資産を持つ世帯が25.2%にのぼります。このデータから、70歳代の二人以上世帯では資産状況に大きな格差があることがうかがえます。
詳細を見ると、100万円未満が4.5%、100万円から200万円未満が5.1%、200万円から300万円未満が3.7%と、貯蓄額が比較的少ない層も一定数存在します。その一方で、1000万円から1500万円未満が11.1%、2000万円から3000万円未満が12.3%など、比較的ゆとりのある世帯も確認できます。
老後の資産額は、現役時代の収入や働き方、退職金の有無、健康状態といった様々な要因に影響されます。同様に、年金の受給額も現役時代の加入状況によって個人差が生じます。
もし貯蓄が十分でないと、年金収入だけでは生活が厳しくなる可能性も考えられます。安心して老後を送るためには、各世帯の状況に応じた資金計画を立てることが不可欠です。
例えば、健康なうちは無理のない範囲で仕事を続ける、あるいは不動産や投資からの収入を得るなど、早めに対策を講じることが将来の安心につながるでしょう。
