4. 【後期高齢者医療】他の健康保険との違い

後期高齢者医療制度では、保険料算定の仕組みだけでなく、制度の構造そのものが現役世代の健康保険と大きく異なります。

各保険者との比較(令和4年度)

各保険者との比較(令和4年度)

出所:厚生労働省「医療保険に関する基礎資料・各保険者の比較」

4.1 高齢者特有の高い医療ニーズ

加入者の平均年齢は82.8歳と非常に高く、医療の必要度も高い傾向があります。そのため、1人あたりの医療費は95.6万円と、他の制度と比べて2~5倍以上に達します。

4.2 公費と現役世代による支え合いが中心

こうした高額な医療費を賄うため、後期高齢者医療の財源は国や自治体からの公費が約半分を占め、現役世代の支援金も大きな割合を占めています。他の健康保険制度と比べると、公費に依存する割合が非常に高いのが特徴です。

4.3 高齢者の負担は抑制されている

医療費は大きいものの、加入者1人あたりの平均保険料は7.9万円程度と、現役世代の保険料より低い水準に抑えられています。高齢者に過度な負担を強いないよう、社会全体で支える前提で制度が設計されているためです。

結果として、このような財源構造や医療費の高さが地域差を生み、都道府県ごとに保険料が異なる要因の一つにもなっています。