5. まとめにかえて
今回、後期高齢者医療制度の保険料は、地域や所得によって大きな差があることがわかりました。これは、各広域連合が地域の医療費水準を踏まえて保険料率を決めているからです。
また、平均保険料が年間約8万円を超える背景には、医療費の増加に加え、出産育児一時金の一部負担という新しいしくみも影響しています。この制度は、公費と現役世代の支援金で支えられているため、高齢者の方々の負担が過度に重くならないよう抑制されているのが特徴です。
だからこそ、ご自身の保険料が「誰かの負担によって成り立っている」ことを意識し、お住まいの地域の医療費水準と制度設計を把握することが大切です。社会全体で支える医療制度として、その理解を深めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 厚生労働省「限度額適用認定証とは? 医療機関・薬局に提供される情報は?」
- 厚生労働省「医療保険に関する基礎資料・各保険者の比較」
村岸 理美