4. まとめにかえて
今回の年金制度改正法は、約686万人に上る第3号被保険者の働き方に大きな選択肢を与えてくれるでしょう。社会保険への加入対象が広がることで、「年金保険料を自分で払う」という負担増の側面だけでなく、「年金が増える」「傷病手当金が受け取れる」という将来の安心につながるメリットも得られます。
しかし、厚生年金の平均受給額が約14.6万円というデータを見ると、多くの人にとって年金だけで生活費を賄うのは難しいのが現実です。
だからこそ、制度の変更点を「他人事」で終わらせず、ご自身のライフスタイルと照らし合わせて「どう働くか」「いつまで働くか」を考えることが重要です。制度を正しく理解し、iDeCo（イデコ）などの「自助」の仕組みも活用しながら、計画的に老後資金の準備を進めていきましょう。未来の安心は、今の行動にかかっています。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
村岸 理美
