3. 厚生年金・国民年金、今のシニア世代が受け取る「ほんとうの年金受給額はいくら?」

社会保険への加入拡大という制度の変更点とメリットを見たところで、次に今のシニア世代が実際にどの程度の年金を受け取っているのかを見ていきましょう。

厚生労働省のデータ によると、厚生年金を受給している男女全体の平均月額は14万6429円です。この金額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額分も含まれています。

受給額ごとの人数分布を見ると、以下の実態が明らかになります。

  • 月額15万円以上の受給者数:502万6090人(全体の約47.6%)
  • 月額20万円以上の受給者数:261万7157人(全体の約16.3%)
  • 月額25万円以上の受給者数:  27万6814人(全体の約1.72%)

この通り、厚生年金を月額15万円以上受け取っている人は全体の半数に満たない状況です。平均受給額(厚生年金込み)が約14.6万円 であることから、多くの人にとって生活費の全てを賄える水準ではないのが現実です。

そのため、年金制度を正しく理解し、iDeCoや働き方の見直しといった「自助」の努力を含めた計画的な老後資金の準備が、一層重要になっています。