3. 世帯主が65歳以上の「無職・二人以上世帯」平均貯蓄額はいくら?
続いて、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」から、「世帯主が65歳以上の無職・二人以上世帯」における平均貯蓄額を見てみます。
3.1 平均貯蓄額の推移
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
- 2024年:2560万円
2024年における「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の平均貯蓄額は2560万円となっており、5年連続で増加していることがわかります。
この背景には、物価上昇に備えた家計の防衛意識や、退職金などを手元資金として確保する動きがあると考えられます。
同時に、金融庁や政府による資産形成支援策(NISAなど)も、貯蓄行動に少なからず影響を与えているのでしょう。
3.2 保有資産の内訳
- 定期性預貯金:859万円
- 通貨性預貯金:801万円
- 有価証券:501万円
- 生命保険など:394万円
- 金融機関外:6万円
ここ数年で特徴的なのは、定期性預貯金の減少と有価証券・通貨性預貯金の増加です。わずかではありますが、「貯蓄から投資へ」という流れが高齢世帯にも広がりつつあります。
物価上昇による将来への不安、そして2024年から始まった新しいNISA制度などが、こうした資産配分の変化を後押ししていると考えられます。
続いて、老後の重要な収入源である公的年金について見ていきましょう。
