師走に入り、街にはクリスマスムードが漂う季節となりました。12月は今年最後の年金支給日がありますが、公的年金制度は、老後の生活だけでなく、私たちが病気やけがによって働けなくなった時も支えてくれます。それが障害年金です。
ただ、「障害年金って、一体いくらもらえるんだろう?」 「がんや精神疾患でも対象になるって本当?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで今回は、日本年金機構の最新データをもとに、障害年金の平均支給額や最多支給の障害の実態について解説します。さらに、公平な認定を目指して現在進められている、審査プロセスの抜本的な見直しについてもお伝えします。
1. 【トピック①】障害年金と障害年金生活者支援給付金「今年度はいくらもらえる?」
公的年金は物価や賃金の変動に合わせて毎年見直され、2025年度の障害年金額が確定しています。
「障害基礎年金」年金額(2025年4月~)
- 1級:年額103万9625円(一部は103万6625円)
- 2級:年額83万1700円(一部は82万9300円)
受け取る年金額は昭和31年4月2日以降に生まれたかどうかで若干の差があります。また、子どもを扶養している場合は加算があり、2人まで各23万9300円、3人目以降は各7万9800円が年金に上乗せされます。等級や家族構成によって受給額が変わります。
「障害厚生年金」年金額(2025年4月~)
- 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(23万9300円)
- 2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(23万9300円)
- 3級:報酬比例の年金額のみ
(3級の最低保障額は62万3800円または62万2000円)
一方、障害厚生年金は1級・2級・3級があり、給与水準に応じた「報酬比例」の額が基本です。なお、障がいの程度が3級に満たない場合でも一定の要件を満たせば一時金として「障害手当金」が支給されることもあります。
1.1 「障害年金生活者支援給付金」月額(2025年4月~)
障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金の受給者が対象で所得が一定以下の場合、年金に上乗せして支給されます。
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
上記のように、障害年金生活者支援給付金は障害等級1級と2級で給付金の月額がことなります。あくまでも一例ですが、扶養家族がなく、所得が一定以下である障害等級1級の障害基礎年金受給者の方は、障害基礎年金と給付金と合わせて約112万円受け取ることになります。
1.2 障害年金の平均年金月額はいくら?
では、実際にどれくらい障害年金が支給されているのでしょうか。2025年11月28日に公表された「日本年金機構の主要統計」(2025年7月末時点)によると、平均年金月額は以下の通りです。
- 障害基礎年金受給者:7万6000円
- 障害厚生年金受給者:10万5660円
さらに、障害年金生活者支援給付金の実際の支払いについて見ていきましょう。
令和6年3月において、総数の平均給付月額5555円となっています。年齢別では、80歳以上が最も高く5847円、40~49歳が最も低く5483円です。このように、年金制度は老齢だけでなく、障がいによって生活が困難になった方々も支えています。

