物価上昇や将来の年金不安が話題になるなか、老後に向けてどれだけ備えるべきか悩む人は少なくありません。
自分の貯蓄が同年代と比べてどの位置にあるのか、そして今の貯め方で将来に備えられるのか不安を感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、20歳代から70歳代までのおひとりさまの貯蓄額や中央値をデータで確認しつつ、元銀行員の視点から無理せず貯まる家計に近づくヒントも紹介します。
1. 【20歳代~70歳代】おひとりさまの貯蓄額は平均いくら?
まずは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」のデータをもとに20歳代から70歳代の単身世帯の貯蓄額について紹介します。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 【20歳代】単身世帯:金融資産保有額階層ごとの世帯割合
【20歳代 貯蓄額:割合】
- 100万円未満:41.5%
- 100~200万円未満:15.0%
- 200~300万円未満:7.8%
- 300~400万円未満:7.5%
- 400~500万円未満:3.7%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:3.7%
- 1500~2000万円未満:0.6%
- 2000~3000万円未満:0.6%
- 3000万円以上:0.0%
- 無回答:6.1%
【20歳代の平均貯蓄額・中央値】
- 平均:260万円
- 中央値:100万円
20歳代は100万円未満が最も多く、貯蓄額の少ない層が約4割を占めます。
平均貯蓄額は260万円ですが、中央値は100万円と低く、少数の高貯蓄層が平均を押し上げている傾向があります。
全体としてスタート段階の貯蓄が中心です。
