5.2 短時間労働者における社会保険の加入要件緩和
2025年7月時点において、パートタイムなどで働く短時間労働者が社会保険に加入するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用期間が2か月を超える見込みがあること
- 学生ではないこと
- 所定内賃金が月額8万8000円以上であること(賃金要件)
- 従業員数51人以上の企業に勤務していること(企業規模要件)
今回の改正によって、このうち4番目の「賃金要件」と5番目の「企業規模要件」が撤廃されることになります。
いわゆる「106万円の壁」は、全国の最低賃金の動向を見ながら3年以内に廃止される予定です。また、社会保険の加入対象となる企業規模の要件は、10年かけて段階的に拡大されます。
6. 住民税非課税の基準を理解し、自身の状況を確認しよう
ここまで「住民税が非課税になる基準」や所得の目安、「年収106万円の壁」に関わる社会保険制度の変更点など、最新の情報を解説しました。
住民税非課税世帯の対象となるのは、「生活保護を受けている」「障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で前年の所得が135万円以下」「前年の所得が市区町村の基準を下回る」のいずれかに該当する場合です。
とくに3つ目の所得基準は自治体ごとに定められています。
所得が大きく減少した方は、お住まいの地域の基準を確認してみてはいかがでしょうか。
また、年金生活を送る高齢者も、住民税非課税世帯に該当するケースは少なくありません。
「想定していたよりも年金額が少ない」と感じる方も、地域の非課税基準所得額を確認してみることをおすすめします。
住民税非課税世帯を対象とした給付金や支援制度は、今後も実施される可能性があります。
公式サイトなどで最新の情報を確認し、利用できる制度を見逃さないようにしましょう。
※この記事は再編集記事です。
参考資料
- LIMO「【住民税非課税世帯】住民税の基礎知識と非課税の条件とは?シニア世帯は非課税になりやすい?わかりやすく解説」
- 内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」政策ファイル
- 総務省「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税・森林環境税が課税されない方」
- 厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
- 厚生労働省「『年収の壁・支援強化パッケージ』に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)」
鶴田 綾
