12月は食費・暖房費・医療費など支出が増えやすい時期であり、特に65歳以上の家庭では家計への負担を強く感じる場面が多くなります。

65歳以上無職夫婦世帯の家計は毎月約3万4000円の赤字が発生しており、消費支出は約25万7000円です。また、厚生労働省の調査では、高齢者世帯の55.8%が「生活が苦しい」と感じています。

そこで本記事では、高齢者世帯の家計状況と生活意識の最新データを整理しつつ、保険と貯蓄のバランスを見直して老後の家計にゆとりを生み出すための視点をやさしく紹介します。

1. 65歳以上高齢者世帯の家計状況

年金に関して、ネガティブな報道がされることは少なくありません。総務省の資料を参考に、65歳以上高齢者世帯のリアルな家計状況を見ていきましょう。

65歳以上・無職夫婦世帯における家計状況は毎月約3万4000円の赤字でした。なお、毎月の消費支出の25万6521円のうち、詳細な内訳は以下のとおりです。

  • 食料:7万6352円
  • 住居:1万6432円
  • 光熱・水道:2万1919円
  • 家具・家事用品:1万2265円
  • 被服及び履物:5590円
  • 保健医療:1万8383円
  • 交通・通信:2万7768円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万5377円
  • その他の消費支出:5万2433円
  • うち諸雑費:2万2125円
  • うち交際費:2万3888円
  • うち仕送り金:1040円

年金収入だけではまかないきれない赤字部分は、貯蓄の取り崩しや年金以外の収入でカバーする必要があります。赤字幅が大きいほど、また老後期間が長いほど準備すべき金額は大きくなります。

そのため、老後不安を軽減するためには現役のころから計画的に資産形成をすること、生活費のボリュームを下げることが欠かせません。