4. 保険料や窓口負担割合に金融所得が反映される?

政府与党は、保険料や窓口負担割合に金融所得を反映する方向性で議論を進めています。

現状の制度だと、株式配当や債券利息など分離課税となる金融所得は、医療費の保険料や窓口負担に反映させません。しかし、現役世代の保険料を軽減する目的もあり、支払い能力のある方に負担を求める方針です。

この仕組みは、まず75歳以上の後期高齢者を先行させ、すべての年代に適用する予定です。2020年代中の制度改正を目指しており、資産を保有している方は、保険料や医療費の窓口負担が増える事態に備えなければなりません。

まだ検討段階で正式決定ではないものの、今後新しい制度の枠組みが決まっていくと考えられます。制度そのものの公平性や財源の確保などに議論の余地が大いにありますが、新しい情報に注目していきましょう。

5. 高齢期の医療費対策として家計にできる準備を整理しよう

医療費の負担割合は、後期高齢者にとって家計の安定を左右する重要なポイントです。

負担割合が「1割・2割・3割」と分かれる理由は、所得に応じて公平に負担を分ける仕組みですが、実際には3割負担となると医療費は現役並みの水準となり、受診をためらう原因にもなりかねません。

また、今後は金融所得が負担判定に影響する可能性もあり、医療費の出費を見越して家計のシミュレーションや節約・資産管理を行っておくことも大切です。

年末は1年の支出を振り返る良いタイミングですので、医療費の領収書・年間医療費・所得水準を改めて見直し、ご自身や家族の負担割合がどうなるのか早めにチェックしておきましょう。

参考資料

柴田 充輝