いよいよ今年も残すところあとわずかとなり、街は華やかなクリスマスの装飾に彩られています。 寒い日が続きますが、皆さまご自身の老後資金の準備状況について、しっかりと点検をされていますか。

公的年金は老後生活の土台となる重要な収入源ですが、年々厳しさを増す物価高騰を考えると、年金だけでゆとりある生活を送るのは難しいかもしれません。 老後の生活を支える公的年金制度について正しく理解し、ご自身の将来の受給額がどれくらいになるのか把握しておくことが、今後の資産形成を考える上で欠かせません。

本記事で取り上げるように、公的年金は毎年見直しが行われています。日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっており、加入状況によって将来の受給額に大きな個人差が生じます。

また、年齢階層別や男女別で見た平均月額にも明確な傾向が見られ、特に厚生年金では男女間の差が大きいことがデータで明らかになっています。 ご自身の年代や性別における平均的な年金受給額を知ることは、具体的な老後資金計画を立てる第一歩となるでしょう。

本記事では、2025年度の年金額、年金制度の基本的な仕組み、そして年齢別・男女別の平均受給額の詳細について解説します。 データに基づいた客観的な事実を知り、不安の少ない老後生活に向けた準備を始めるきっかけとしてください。

1. 年金は前年比+1.9%で増額に

公的年金額は物価や賃金の変動を反映して、毎年見直しが行われます。2025年度の年金額は、2024年度から1.9%引き上げられます。

1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額))(※1):6万9308円
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(※2)

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※2 厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

1.2 2025年度の年金はいつもらえる?

公的年金の支給日は「偶数月の15日(土日の場合は直前の平日に前倒し)」で、前月までの2カ月分がまとめて支給されます。

2025年の年金支給日カレンダーは以下のとおりです。

【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー

【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成