3. 投資先の考え方と分散投資の重要性

投資先を考えるときには、次の点に留意しましょう。

  • 投資の特性を理解する
  • 分散投資を心がける
  • 長期積立投資を行う

資産運用先には一般的に次のようなものがあります。

主な資産運用の方法

主な資産運用の方法

出所:金融庁「資産形成の基本」

  • 預貯金
  • 株式
  • 債券
  • 投資信託

基本的に安全性が高い投資ほど利回りが低く、利回りの高い投資は損失リスクが高くなります。安全性が高く収益性も流動性も高い商品というものはないので、自分のリスクに対する考え方を踏まえて、適切な商品を選ぶのが大切です。

投資先を選ぶ際には、分散投資を行うのが得策です。新NISAでも購入できる投資信託を活用すれば、実質的に多数の銘柄への分散投資が容易になります。

分散投資をすれば、たとえ一部の銘柄が損失を生み出しても、他の銘柄の収益でカバーし、大きな損失を避けられる可能性があります。

最後に、老後の資産形成は長期・積立投資を基本としましょう。資産運用は一般に長期で運用するほど、一時的な損失の影響が緩和されて利回りが安定します。目先の市場の値動きに惑わされることなく、運用を継続しましょう。また、積立投資を行うと、ドルコスト平均法の効果によりリターンが安定しやすくなります。

長期投資と積立投資の組み合わせれば、安定した資産運用が可能になります。

4. 人によって必要な老後資金は異なる!老後のマネープランについて考えてみよう

ここまで見てきたように、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は平均で1923万円、中央値は800万円でした。

平均と中央値にこれだけ差があるのは、世帯ごとの資産にかなりばらつきがあるということ。そのため、平均額だけを見て「うちは少ない…」と落ち込む必要はありません。

70歳代は、これまでの蓄えを「どう使うか」を考える時期でもあります。もちろん物価高への備えは大事ですが、節約ばかりで今を楽しめないのももったいないですよね。大切なのは、他人と比べることではなく、「我が家の収支」に合った計画を立てること。

年末のこのタイミングで、資産の寿命とこれからのライフプランを、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料