4. 【年代別】みんなは収入の何パーセントを貯蓄に回している?
では最後に、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに、現役世代(二人以上世帯)が手取り収入のうちどの程度を貯蓄に回しているのかを確認していきます。
調査結果によると、各年代における手取り収入からの貯蓄割合は以下のとおりです(金融資産保有世帯のうち、金融資産に振り分けている世帯を対象)。
【二人以上世帯:手取り収入からの貯蓄割合の平均】
- 20歳代:14%
- 30歳代:14%
- 40歳代:13%
- 50歳代:12%
- 60歳代:13%
- 70歳代:14%
上記調査の二人以上の世帯では、どの年代でも手取り収入のうちおよそ1割前後を貯蓄に回している傾向が見られます。
老後の生活に備えるためには、収入が安定している現役世代のうちに、計画的な資産形成を進めておくことが大きなポイントとなるでしょう。
5. まずは手取りの1割を貯蓄に回してみよう
本記事では、最新の統計データをもとに、貯蓄4000万円以上の世帯割合や平均年収、その特徴を紹介していきました。
老後の生活や将来の安心を見据えたとき、「いくら貯蓄しているか」は家計にとって重要な要素です。
今回紹介したデータからも、貯蓄4000万円以上を保有する世帯は一部にとどまり、多くの世帯はそれ以下の水準にあることが明らかになりました。
ただし、年収が極端に高くなくても、計画的な家計管理と長期的な積み重ねによって大きな貯蓄を築くことは可能です。
また、どの年代でも手取り収入の約1割程度を貯蓄に回している傾向があることからも、日々の習慣が将来の資産額を左右します。
今のうちから無理のない範囲で貯蓄を積み上げていくことが、老後の安心につながる第一歩といえるでしょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-11表<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯・勤労者世帯)」
中本 智恵