年末の12月は支出が増えやすく、年金生活者やシニア世帯にとって家計の厳しさを感じやすい時期です。

実は高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じており、毎月約3万4000円の赤字が発生しているのが現実です。

長寿化が進む今、「いつまで資産がもつのか」という不安は誰もが抱える問題です。70歳代の平均貯蓄額は1923万円ですが、これで本当に足りるのでしょうか?老後破綻を防ぐために知っておくべき、資産運用の基本をわかりやすく解説します。

1. 高齢者世帯の55.8%は生活が苦しいと感じている

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を参考に、高齢者世帯のリアルな生活感を見てみましょう。

一般的に、リタイアすると収入の柱が給与から年金に代わります。受け取れる年金額は、現役時代の収入の5~6割程度になるため、現役のころと生活レベルが変わらない場合、赤字が発生しやすいでしょう。

実際に、高齢無職世帯の家計状況は、毎月約3万4000円の赤字が発生している状況です。

65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の家計収支

65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

毎月赤字が発生すると資産を取り崩す必要があるため、いわば「資産がどんどん減っていく」という状況です。昨今は平均寿命の延伸の影響から、何歳まで生きるかわからないため、老後生活で不安を抱えるのは仕方ないことといえるかもしれません。