2. 【収入】70歳代、平均年金月額はどれくらい??

原則65歳から受給できる公的年金は、厚生年金なのか、国民年金だけなのかによって年金額が異なります。

たとえば、厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額の違いは以下のとおりです。

  • 厚生年金(全体):14万6429円(※国民年金部分を含む)
  • 国民年金(全体):5万7584円

しかし、上記は厚生年金や国民年金の受給権者全体の平均年金月額です。では、70歳代も同じくらい受給できているのでしょうか。

70歳代が受給する年金額について、実態に注目してみましょう。

2.1 【国民年金】70歳代が受給している平均年金月額の実態

厚生年金適用事業所に所属せず、個人事業主など国民年金に加入している人は、老齢基礎年金のみ受給できます。

20歳になると、原則として国内に居住するすべての人が加入する国民年金ですが、納付保険料によって年金額が異なります。

では、70歳代における国民年金の平均年金月額を見てみましょう。

国民年金受給者全体の平均年金月額は、5万7584円です。70歳代の各年齢を見ても、平均年金月額と大きな変わりはありません。

2024年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は「月額6万8000円」です。70歳代が実際に受給している平均月額は満額よりも約1万円、割合にして1割以上低い水準となっています。

2.2 【厚生年金】70歳代が受給している平均年金月額の実態

会社員や公務員など、現役時代に厚生年金へ加入していた人は、老齢厚生年金の受給が可能です。ただし、年金額は加入期間や納付済み保険料によって変わるため、人それぞれ異なります。

では、70歳代の平均年金月額は、全体の平均値と違いはあるのでしょうか。

厚生年金受給者の全体平均は、14万6429円です。70歳代の平均年金月額は、14万6228円であり、大きな差は見当たりません。

ただし、老後の主な収入である年金額は、生活費の過不足に直結します。国民年金よりも、平均年金月額が多い厚生年金ですが、安心して70歳代の老後を送れるほどの年金額なのでしょうか。