全国で最低賃金が1000円を超え、賃上げペースが早まっています。それでも、物価変動分を考慮した実質賃金は1.4%のマイナスで、依然として物価に追いつくことはできていません。

私たちの手取りが増えない理由は、上記の物価高のほかに、税や社会保険料の負担率「国民負担率」の高さが挙げられます。近年で急激に増えた感覚のある税金や社会保険料。過去10年の年収や国民負担率は、どのように推移しているのでしょうか。

この記事では、過去10年間の年収や国民負担率を解説します。

1. 過去10年で年収はいくら増えたの?

まずは、過去10年の年収を振り返ってみましょう。国税庁の「民間給与実態統計調査」をもとに、2015年〜2024年の10年間の平均給与を見ていきます。

2015年~2024年の平均年収

2015年~2024年の平均年収

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

  • 2015年:423万4000円
  • 2016年:425万円
  • 2017年:433万6000円
  • 2018年:439万1000円
  • 2019年:438万4000円
  • 2020年:435万1000円
  • 2021年:445万7000円
  • 2022年:457万6000円
  • 2023年:459万5000円
  • 2024年:477万5000円

2018〜2020年にかけてやや減少しましたが、その後は持ち直し、過去10年で約54万円上昇しています。年収の上昇率は約13%です。

とくに近年では春闘においても5%以上の賃上げが実現されており、給与自体は着実に上昇しているといえます。

では、国民負担率はどれくらい上昇しているのでしょうか。次章で解説します。