11月に入り、年末が近づいてきたこの時期。社会福祉や支援制度について見直す方もいるのではないでしょうか。中でも障害者手帳は3種類あり、障がいのある方が支援を受けるために重要な役割を持っています。
今回は、障害者手帳の一つである療育手帳の所持者が増加している状況や、利用できる支援内容、就業状況など、わかりやすく解説します。
1. 療育手帳、「どんな人が持っている?」障害者手帳それぞれの特徴
公的なサポートを受けるための証明書である障害者手帳には、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。これらの手帳を持つことで、障害者総合支援法などに基づく多様な福祉サービスや、自治体・民間のサポートを利用できるようになります。
1.1 身体障害者手帳
身体障害者手帳は、視覚、聴覚、手足の機能(肢体)、心臓や腎臓などの内部機能を含む身体機能に一定以上の障がいがあると認定された方に交付されます。交付は都道府県や指定都市などが行い、原則として更新は必要ありませんが、状態が変化した際には再認定を受けることがあります。令和5年度時点の所持者数は478万3069人で、3種類の手帳の中で最も所持者が多い手帳です。
1.2 療育手帳
療育手帳は、知的障がいがあると判定された方に交付される手帳です。判定は児童相談所(18歳未満)または知的障害者更生相談所(18歳以上)で行われ、取得することで障害福祉サービスなどの各種支援を受けられます。制度の運用や具体的な判定基準は、自治体ごとに異なるという特徴があります。令和5年度の所持者数は128万1469人です。
1.3 精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障がいがあると認められた方に交付され、社会参加を促すための支援を受けることができます。障がいの等級は1級から3級まで設けられており、精神疾患の状態と、日常生活や社会生活における能力障がいの状態の両面から総合的に判断されます。令和5年度の所持者数は144万8917人です。
今回は、「療育手帳」に焦点を当てて、その内訳と推移を詳しく見ていきます。
