5. 判断のポイント “65歳から受け取る”が合理的な人もいる

以下のようなケースでは、65歳から受給を始める方が合理的です。

  • 退職金や預貯金が少なく、生活資金の余裕がない
  • 健康に不安がある
  • 税金・社会保険料の増加を抑えたい

逆に、

  • 健康に自信があり、病気に対するリスク管理ができている
  • 貯蓄や資産に余裕がある
  • 配偶者の加給年金などを調整したい

という人は繰下げを検討する価値があると言えるでしょう。

6. まとめにかえて “増える”より“残る”を重視して考えよう

繰下げ受給は、制度上は確かにお得な選択肢に見えます。

しかし、「額面が増える」=「手取りが増える」ではないことを理解することが大切です。

年金の受け取り方は、年齢や健康状態、生活資金の状況によって最適解が変わります。

大切なのは「増えた年金でどれだけ安心して暮らせるか」という視点。

不安がある方はねんきんネットなどで自分の年金額を試算し、ライフプラン全体の中で受給時期を考えてみるとよいでしょう。

参考資料

和田 直子