就職状況はどうなっているのか

ここまで見てきたように経済学部は歴史も長く、長らく看板学部として位置づけられてきました。

経済学部に対して次のような意見もあります。

「内部進学者の評価だけではなく、入試での偏差値などもあり、経済学部の学生たちは自分たちは商学部よりも明らかに『上』だという意識は持っていると思います。また、就職先も商学部よりもよいと思っているというのもあるからではないでしょうか」(商学部OB)

では、この経済学部の学生の認識は就職先データから支持されるのでしょうか。それぞれの学部の就職先を見ていきましょう。

慶應義塾大学が発表した2017年度の上位就職先企業によれば(3名以上上位20社を開示)、経済学部の就職者数は1003人、一方、商学部が839人となっています。まず、就業者数が経済学部と商学部で異なります。

詳細は最後にお示しする各学部の就職先データを参考にしていただきたいのですが、ここでは、就職活動をする学生に人気のある総合商社とメガバンク、コンサルティング会社を中心に見ていきます。

総合商社

経済学部の三菱商事への就職者数は8人でうち2人が女性です。経済学部の就職者数全体に対する三菱商事の比率は0.80%となります。上位20社の中には、総合商社としては三菱商事のみです。

一方、商学部については、三井物産への就職者数は7人でうち1人が女性です。先ほどと同様に三井物産の商学部の就職者数全体に占める割合をみると、0.83%となります。また、三菱商事への就職者数は7人でうち1人が女性です。三菱商事の比率は0.83%となります。

こうしてみると学生の就職希望先である総合商社の就職状況は、三菱商事と三井物産に限ってみると、各学部の全就職者に占める比率だけを見れば、経済学部よりも商学部の方が高いといえます。

メガバンク

さて、続いてメガバンクについて見ていきましょう。

経済学部のみずほ銀行への就職者数は32人でうち女性が9人となっています。みずほ銀行が経済学部の就職者数全体に占める比率は3.19%。同様にみていくと、三菱UFJ銀行は27人でうち女性が8人となっており、同比率は2.69%となります。三井住友銀行は15人でうち1人が女性となっており、同比率は1.50%となります。

3行合わせたメガバンク全体で見ると経済学部の就職者数は74人で、就職者数全体に占めるメガバンクの比率は7.38%となります。

商学部についても同様に見ていきましょう。

三菱UFJ銀行へは17人でうち女性が11人となっており、商学部の就職者数全体に占める比率は2.02%。三井住友銀行へは13人でうち6人が女性となっており、同比率は1.55%。みずほ銀行へは11人でうち5人が女性となっており、同比率は1.31%となっています。

3行合わせたメガバンク全体で見ると商学部の就職者数は41人で、就職者数全体に占める比率は4.89%となります。

ここで見た数値に限って言えば、メガバンクへの就職比率は経済学部の方が就職状況は商学部よりも高いといえます。

コンサルティング会社

では、コンサルティング会社について見てみましょう。

経済学部のアクセンチュアへの就職人数は18人でうち女性が7人となっており、経済学部の就職者数に占めるアクセンチュアの比率は1.79%となっています。また、アビームコンサルティングへは8人(すべて男性)となっており、同比率は0.80%となっています。

また、商学部のアビームコンサルティングへの就職人数は12人でうち4人が女性となっており、商学部の就職者に占める比率は1.43%となっています。また、アクセンチュアの就職人数は8人(すべて男性)となっており、同比率は0.95%となっています。