まとめにかえて
ここまで、総合商社、メガバンク、コンサルティング会社を見てきましたが、産業ごとに学部によって就職比率に高低があり、一概に「経済学部が強い」や「商学部が強い」というのは言えません。
ただし、メガバンクの就職比率は経済学部が商学部よりも高いといえます。また、最近の総合商社への就職人気が高まっていることを考えれば、商学部の方が就職状況としては学生に魅力的に映るかもしれません。
しかし、あらためて確認しておくべきポイントがあります。
総合商社に関していえば、経済学部と商学部の就職先上位20社に「伊藤忠商事」がリストされていません。伊藤忠商事はここまで業績も好調で、同社への注目度は年々上昇しています。
慶應義塾大学の伊藤忠商事への就職で見ると、法学部法律学科で5人(うち女性2人)、法学部政治学科で5人(1人)、文学部で6人(2人)、総合政策学部で3人(すべて男性)となっており、法学部で見ると10人も送り出しています。こうみると、経済学部と商学部では財閥系総合商社に強いともいえます。
また、慶應義塾大学は公認会計士試験の合格者数は44年連続1位ということで、今回は取り扱わなかったですが、両学部から監査法人への就職も多くなっています。資格を伴っての就職ということも考えると、通常の就職とは分けて考える必要もありそうですが、各学部での就職状況を考える重要なポイントになると思います。
【ご参考データ】
経済学部の就職先
- みずほ銀行:32人(9人)
- 三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行):27人(8人)
- 東京海上日動火災保険:23人(10人)
- 野村證券:22人(4人)
- アクセンチュア:18人(7人)
- 三井住友銀行:15人(1人)
- 新日本有限責任監査法人:14人(4人)
- SMBC日興証券:13人(5人)
- 三井住友海上火災保険:13人(5人)
- みずほ証券:11人(1人)
- 三井住友信託銀行:11人(2人)
- 三菱UFJ信託銀行:11人(1人)
- 日本航空:10人(4人)
- 大和証券:9人(0人)
- 明治安田生命保険相互会社:9人(0人)
- 有限責任あずさ監査法人:9人(1人)
- 有限責任監査法人トーマツ:9人(3人)
- アビームコンサルティング:8人(0人)
- りそなホールディングス:8人(0人)
- 三菱商事:8人(2人)
- 商工組合中央金庫:8人(2人)
- 損保ジャパン日本興亜:8人(2人)
- 電通:8人(4人)
- 東京都:8人(3人)
- 日本政策金融公庫:8人(3人)
商学部
- 三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行):17人(11人)
- 東京海上日動火災保険:14人(5人)
- 三井住友銀行:13人(6人)
- アビームコンサルティング:12人(4人)
- みずほ銀行:11人(5人)
- アメリカンファミリーライフインシュランスカンパニーオブコロンバス:9人(2人)
- 三井住友海上火災保険:9人(4人)
- 三井住友信託銀行:9人(3人)
- アクセンチュア:8人(0人)
- エヌ・ティ・ティ・データ:8人(3人)
- 三井物産:8人(1人)
- 東日本電信電話:8人(3人)
- 有限会社責任監査法人トーマツ:8人(2人)
- キーエンス:7人(1人)
- 三菱UFJ信託銀行:7人(2人)
- 三菱商事:7人(1人)
- 新日本有限責任監査法人:7人(2人)
- 日本生命保険相互会社:7人(3人)
- 富士通:7人(2人)
- 商工組合中央金庫:6人(0人)
- 第一生命保険:6人(2人)
- 電通:6人(3人)
- 日本航空:6人(2人)
- 日立製作所:6人(3人)
- 農林中央金庫:6人(1人)
- 明治安田生命保険相互会社:6人(0人)
【参考文献】
- 慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科「沿革」
- 慶應義塾大学商学部「商学部とは」
- 慶應義塾大学「慶應義塾大学 2017年度 上位就職先企業(3名以上上位20社)」
LIMO編集部