2. 「65歳以上の無職二人以上世帯」の貯蓄状況

65歳以上の無職二人以上世帯ではどのような貯蓄状況になっているのか、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」をもとに見ていきましょう。

2.1 2500万円以上の世帯が約3割を占めている

世帯主が65歳以上で二人以上世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布

世帯主が65歳以上で二人以上世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」

65歳以上の無職二人以上世帯では、貯蓄高が2500万円以上の世帯が約3分の1を占めています。

二人以上世帯全体の平均よりも、貯蓄高が高い傾向にあります。

しかし一方で、300万円未満の世帯は14.8%存在し、さらに100万円未満の世帯は8.1%と1割弱となっています。

生活費の不足分を十分に補填できるほどの貯蓄を有している世帯が3割ほどを占めている一方で、急な出費やまとまった出費に対応できない世帯が少なくないことがわかります。

2.2 平均貯蓄高は年々増加している

世帯主が65歳以上の無職二人以上世帯の貯蓄額は、2019年から毎年増額傾向にあります。

  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円
  • 2024年:2560万円

2019年には2218万円だったものが、5年後の2024年には2560万円となっており、342万円増加しています。

日本は世界で最も平均寿命が長い国であり、リタイア後の生活が長期間に及ぶケースが多いです。

そのため、貯蓄額が年々増加し経済的な基盤が安定化しているのは、良い傾向といえます。

ただし、これらはあくまでも平均額の話であり、貯蓄が十分にない世帯も存在します。

老後の経済的な不安を解消するには、若いうちから老後資金を準備することが大切です。

次章からは、現在のシニア世帯が年金をいくら受け取っているのか平均額を確認していきます。