老後資金の準備を始めようと考えている方の中には、「老後は毎月どのくらいの生活費がかかるのか」知りたい方もいるでしょう。
資金準備を始める際には、まず現在のシニア世代の経済状況を知る必要があります。
そこで本記事では、65歳以上の無職夫婦世帯の1ヵ月の生活費や平均貯蓄額、厚生年金・国民年金の平均受給額を詳しく解説していきます。
老後資金を計画的に準備する際に、ぜひお役立てください。
1. 「65歳以上夫婦のみ無職世帯」ひと月の生活費
65歳以上夫婦のみ無職世帯の1ヵ月の収入や支出について、総務省統計局が公表している「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」をもとに確認していきます。
65歳以上夫婦のみ無職世帯の1ヵ月の実収入は25万2818円で、そのうち社会保障給付(主に年金)が22万5182万円となっています。
主に年金が収入の約89%を占めている状況です。
一方、支出は28万6877円で、そのうち消費支出が25万6521円、社会保険料や税金といった非消費支出が3万356円となっています。
では、消費支出の内訳も確認してみましょう。
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
・うち諸雑費:2万2125円
・うち交際費:2万3888円
・うち仕送り金:1040円
食料費が最も高額となっており、消費支出に占める割合は29.8%と、約3割にもなります。
ほかには、光熱・水道費や交通・通信費、教養娯楽費に2万円以上かかっているようです。
1ヵ月の実収入から非消費支出を差し引いた「可処分所得」は22万2462円(25万2818円-3万356円)となるため、消費支出を差し引くと毎月約3万4000円(22万2462円-25万6521円)の赤字となる計算です。
生活費の不足分は貯蓄を切り崩してまかなうケースが多いでしょう。
では、65歳以上の無職二人以上世帯ではどのくらいの貯蓄額を有しているのでしょうか。
次章で確認していきましょう。
