2025年度の年金額は1.9%の引き上げとなり、老齢基礎年金の満額は月額6万9308円、夫婦2人で受け取る標準的な厚生年金は月額23万2784円となりました。

とはいえ、実際に「いくらもらえるのか」「手取りでどのくらい残るのか」は、人によって大きく異なります。

年金の加入期間や現役時代の収入、税金や社会保険料の控除など、さまざまな要素が受給額に影響するためです。

本記事では、2025年度の最新年金額をもとに、公的年金制度の基本構造をおさらいしながら、厚生年金で月15万円以上を受け取っている人の割合や、高齢者世帯の生活実態についても詳しく解説します。

1. 日本の公的年金制度は「国民年金と厚生年金の2階建て」

日本の公的年金制度は、「すべての人が加入する国民年金」と「会社員や公務員などが加入する厚生年金」の2階建て構造になっています。

1.1 【第1階部分:国民年金(基礎年金)】

  • 対象:20歳以上60歳未満の全国民
  • 保険料:2025年度は月額1万7510円(一律)
  • 受給額:40年間保険料を納めると、満額で月額6万9308円(2025年度基準)

1.2 【第2階部分:厚生年金】

  • 対象:会社員、公務員など
  • 保険料・年金額:現役時代の収入や加入期間によって決まる(個人差あり)
  • 将来受給する年金:国民年金に加え、厚生年金も上乗せして受け取る

さらに老後の備えとして、公的年金に加えて次のような私的年金制度も活用できます。

  • 企業年金
  • iDeCo(個人型確定拠出年金) など