年末が少しずつ近づいてきた11月、来月は今年最後となる年金支給日があります。そんな年金支給日にもらえる給付金があるのをご存知でしょうか。それは2019年の消費増税を機にはじまった年金生活者支援給付金です。

年金受給者の全員がもらえるわけではなく、所得などの一定基準に該当する方が対象者となります。今回は、年金生活者支援給付金について対象者や給付額、手続き方法まで解説します。

1. シニアの暮らし、平均所得額と構成(国民生活基礎調査)

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の「1世帯あたりの平均所得金額」を見ていきましょう。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

1.1 高齢者世帯の平均所得金額

(カッコ内は総所得に占める割合)

総所得:314万8000円 (100.0%)

【内訳】

  • 稼働所得:79万7000円(25.3%)
    • うち雇用者所得(※):66万5000円(21.1%)
  • 公的年金・恩給:200万円(63.5%)
  • 財産所得:14万4000円 (4.6%)
  • 公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)
  • 仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得18万9000円(6.0%)
    雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む

高齢者世帯の平均総所得は年314万8000円、月額に換算すると約26万円です。

主な内訳は、所得の3分の2を占める月額約16万6000円の「公的年金」と、約2割を占める月額約5万5000円の「雇用者所得」です。

この所得構成からは、高齢者世帯の生計が公的年金をベースとしながら、主に仕事による収入で補われている様子がうかがえます。このような暮らしの中で、年金生活者支援給付金は日々の生活を支える大切なセーフティネットと言えます。年金と給付金で生活を維持するためにも、制度の正しい理解と活用が重要です。次の章で確認していきましょう。