お盆休みのレジャーで出費がかさみ、「来月からは気を引き締めて節約に励もう」と考えている人も多いのではないでしょうか。

池田 夕華
筆者は元銀行員ですが、収入の多さよりも「お金の流れの作り方」で差がついているケースが少なくありません。まずはご自身の行動パターンを点検するところから始めてみましょう。

しかし、「貯蓄を増やすこと」と「節約生活をすること」は、必ずしもイコールではありません。

ちょっとした習慣や考え方を見直すだけで、無理なく支出を減らして「お金が貯まる仕組み」を構築することが可能です。

今回は、お金が貯まらない人に共通するNG行動や、20歳代〜70歳代までの貯蓄額の平均・中央値について解説します。

なお、年代別の貯蓄額の平均・中央値、および金融資産非保有世帯(貯蓄ゼロ世帯)の割合に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認

1. この記事を読むとわかる3つのポイント

  •  貯蓄ゼロ(金融資産非保有)の世帯は、単身世帯で3割前後、二人以上世帯でも1〜2割存在する
  •  お金が貯まらない人には「少額支出の軽視」「残ったお金を貯めようとする」など6つの共通行動がある
  •  貯蓄額は平均と中央値の差が大きく、自分の現在地を知りたいなら中央値を目安にするとよい

2. 貯蓄ゼロの世帯は多い?年代別の割合をチェック

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、年代別の「金融資産非保有世帯」の割合は、以下のとおりです。

《単身世帯》

  • 20歳代:33.2%
  • 30歳代:32.3%
  • 40歳代:32.1%
  • 50歳代:35.2%
  • 60歳代:30.4%
  • 70歳代:20.4%

《二人以上世帯》

  • 20歳代:21.6%
  • 30歳代:17.6%
  • 40歳代:18.8%
  • 50歳代:18.2%
  • 60歳代:12.8%
  • 70歳代:10.9%

データを見ると、貯蓄ゼロの世帯はどの年代においても一定数存在することが分かります。

特に単身世帯では金融資産非保有の割合が高く、20歳代〜60歳代までは全体の3割以上を占める結果となりました。

二人以上世帯では子どもの教育費などがかかることから、単身世帯と比較すると貯蓄への意識が高い様子がうかがえます。

とはいえ、二人以上世帯においても50歳代までは2割前後の世帯が貯蓄ゼロに該当しており、すべての世帯で十分な資産を保有しているというわけではありません。

「貯蓄したい気持ちはあるのになぜかお金が貯まらない」という人は、気付かぬうちにお金が貯まらない人に共通する行動をとっているかもしれません。

次章では、お金が貯まらない人の行動パターンについて解説します。

池田 夕華
50歳代の単身世帯で非保有率がもっとも高くなっている点がポイントです。この年代は住宅ローンや親の介護、自身の医療費など支出が重なりやすい時期でもあります。「そのうち貯められる」と考えているうちに、老後資金の準備期間が短くなってしまうケースは決して珍しくありません。

3. お金が貯まらない人のNG行動「6選」とは?

貯蓄が思うように進まない人に共通する行動パターンは、以下のとおりです。

3.1 「少額の支出は気にしなくてよい」と考えている

「数百円くらいなら大丈夫」「少額だから家計には影響しない」と細かな支出を重ねていると、1ヶ月分ではそれなりの金額になってしまうこともあります。

最近ではクレジットカードやスマートフォンのアプリ決済で買い物をする人も増えていますが、特に少額の決済では「お金を使っている」という感覚を持ちにくい点に注意が必要です。

  • コンビニでの買い物
  • 使っていないサブスクの利用料金
  • 何となく立ち寄ったカフェでの飲食代

上記のような「ちょっとした支出」を軽視せず、まずはいくら使っているかを把握してみるのをおすすめします。

3.2 生活費の残りを貯蓄しようとしている

毎月の貯蓄額を決めずに「生活費の残りを貯めていこう」と考えていると、「1年経っても全然お金が貯まっていない…」という事態になりかねません。

自動積立定期預金やNISAのつみたて投資枠などを活用すれば、貯める資産を「先取り」する仕組みを確立できます。

3.3 高額な固定費をそのままにしている

毎月必ず発生する支出である「固定費」は、避けられない出費として見直しが後回しになりがちです。

しかし、固定費を減らせばその後も節約効果を維持できるため、無理なくお金を貯められます。

たとえば、通信費は携帯キャリアやネット回線の見直しによって、比較的削りやすい支出の1つです。

また、重複している保険や利用していないサブスクの解約なども有効です。

まずは毎月の固定費を洗い出し、安く抑える方法がないかチェックしてみるとよいでしょう。

3.4 貯蓄の目標を金額のみで決めている

「とりあえず300万円」のように漠然とした目標を立てていると貯蓄へのモチベーションが続かず、思うようにお金を貯められないケースもあります。

「5年後の車の買い替え費用として100万円」「10年後の子どもの大学進学までに200万円」のように、目的・期間・金額を明確にして目標を設定しましょう。

3.5 「使うお金」と「節約するお金」のメリハリがない

「貯蓄を確保するためにとにかく節約しよう」と考えていると、我慢ばかりの生活に疲れてしまいます。

「旅行を思い切り楽しめるように、外食を減らして自炊の頻度を増やそう」「趣味に使うお金を確保したいから、コンビニで買い物する回数を減らそう」といったように、自分にとって価値のあるお金の使い方を意識することが大切です。

3.6 ボーナスをあてにしすぎている

毎月の赤字補填・固定資産税などのまとまった支払い・旅行費用などを、すべてボーナスに頼ってしまうのは危険です。

ボーナスからの貯蓄を確保しにくくなるだけでなく、「ボーナスで補填できるから」と毎月の生活費を使いすぎてしまう可能性もあります。

また、会社の状況によっては、支給額が想定より少なくなることもあるでしょう。

まずは生活費を毎月の給与でまかなえるよう家計を管理し、余裕があれば「固定資産税用に毎月1万円」のように、まとまった支出に備えてコツコツと貯める習慣をつけることも大切です。

池田 夕華
6つのうち、まず1つだけ選んで手をつけるのが現実的です。特に「生活費の残りを貯蓄しようとしている」は、自動積立の申し込みという一度の手続きで解消できるため、効果が出るまでの手間がもっとも小さい項目といえます。夏の出費が気になるこの時期の行動の見直し方は、「【貯蓄上手への道】お金に嫌われる人の特徴3選! 夏にムダ遣いしがちな人に喝!」でも触れられていますので、あわせて確認してみてください。

4. 【年代別】みんなの貯蓄額はいくら?単身世帯・二人以上世帯に分けて見てみる

ここからは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとに、年代別の貯蓄額について、単身世帯・二人以上世帯に分けて見ていきましょう。

4.1 《単身世帯》年代別の貯蓄額

年代別貯蓄額の平均・中央値(単身世帯)1/2

年代別貯蓄額の平均・中央値(単身世帯)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

単身世帯・貯蓄額の平均 ※()内は中央値

  • 20歳代:255万円(37万円)
  • 30歳代:501万円(100万円)
  • 40歳代:859万円(100万円)
  • 50歳代:999万円(120万円)
  • 60歳代:1364万円(300万円)
  • 70歳代:1489万円(500万円)

4.2 《二人以上世帯》年代別の貯蓄額

年代別貯蓄額の平均・中央値(二人以上世帯)2/2

年代別貯蓄額の平均・中央値(二人以上世帯)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

二人以上世帯・貯蓄額の平均 ※()内は中央値

  • 20歳代:525万円(125万円)
  • 30歳代:1096万円(311万円)
  • 40歳代:1486万円(500万円)
  • 50歳代:1908万円(700万円)
  • 60歳代:2683万円(1400万円)
  • 70歳代:2416万円(1178万円)

データを見ると、どの世帯・年代においても、平均と中央値には大きな乖離があることが分かります。

平均は富裕層によって押し上げられる傾向があるため、ご自身の現在地を把握したい場合は中央値を参考にするとよいでしょう。

また、二人以上世帯は共働き家庭が多いことや、子どもの教育費に備えて貯蓄することなどを背景に、単身世帯よりも平均・中央値ともに高くなっていると考えられます。

池田 夕華
単身世帯の30歳代と40歳代は、平均こそ501万円と859万円で差がありますが、中央値はどちらも100万円で並んでいます。これは、一部の資産を大きく増やした層が平均を押し上げている一方で、真ん中に位置する人の水準は10年経ってもほとんど動いていないことを示しています。平均額だけを見て安心も落胆もしないほうがよい、という典型例といえます。