政府が少子化の流れを食い止めるために打ち出した「こども未来戦略」。その柱となるのが、2026年度から段階的に始まる『子ども・子育て支援金制度』です。
11月は、来年度の制度改正や家計の見直しを考える人が増える時期。年末に向けて「この制度が自分の暮らしにどう影響するのか」を確認しておくことは、生活設計にとってとても大切なポイントです。
支援金は、児童手当の大幅な拡充(所得制限の撤廃、高校生年代までの延長、第3子以降は月3万円)、妊婦への支援給付(10万円相当)、こども誰でも通園制度、共働き・共育てを後押しする給付(育休中の手取りを実質10割に引き上げるなど)といった、年3.6兆円規模の子育て政策を支えるための財源になります。
特に子育て世帯にとっては、この制度によって「こども1人あたりの給付改善額」が高校生年代までで約146万円に上る見込み。若い世代をしっかり支援する仕組みとして位置づけられています。
この記事では、この「子ども・子育て支援金」制度の内容と、高齢者の暮らしにどんな影響があるのかをわかりやすく解説します。
1. 2026年春から始まる「子ども・子育て支援金」とは?
「子ども・子育て支援金」は、少子化対策を強化するために国が導入する新たな制度です。
「こども未来戦略」を実現するために必要な財源を確保する仕組みでもあり、その目的は子育て世帯への支援を充実させることにあります。
主な取り組みとしては、児童手当の拡充や保育サービスの質の向上などが挙げられ、子育てしやすい社会を目指しています。
また、2026年4月からは、この支援金を確保するため、すべての世代が加入する医療保険料に追加で上乗せして徴収される予定です。
2. 後期高齢者も「子ども・子育て支援金」を負担するの?
「子ども・子育て支援金」は後期高齢者も負担対象です。
では、なぜ75歳以上の後期高齢者も「子ども・子育て支援金」の負担対象となったのでしょうか。
これまでは、子育て支援の財源として主に税金や企業からの拠出金が用いられてきました。
しかし、少子化の深刻化に伴い支援の拡充が求められ、財源の確保が課題となっています。
こうした背景から、制度を持続させるためには、現役世代だけでなく高齢者を含むすべての世代が分担し、互いに支え合う仕組みが必要だと考えられるようになったのです。
3. 2026年4月から「子ども・子育て支援金」の徴収が開始に。月額いくら増える?
では、2026年4月に導入される「子ども・子育て支援金」により、後期高齢者の医療保険料がどの程度増えるのか見ていきましょう。
政府が示した「医療保険に上乗せされる支援金」の総額は、以下のとおり2026年度から2028年度にかけて段階的に増加していく見込みです。
- 2026年度:約6000億円
- 2027年度:約8000億円
- 2028年度:約1兆円
この財源を、現役世代の医療保険加入者(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合、国民健康保険など)と、後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の方が分担して負担します。
3.1 後期高齢者1人あたりの「負担増の目安額」を見る
【後期高齢者】加入者1人あたりの支援金額(見込額)
- 2026年度:平均月額200円
- 2027年度:平均月額250円
- 2028年度:平均月額350円
こども家庭庁の資料では、後期高齢者医療制度に加入している方が負担する「子ども・子育て支援金」は、年収に応じて異なりますが、月額およそ200円~350円程度とされています。
ただし、具体的な負担額は今後の保険料率の見直しなどによって変動する可能性があります。
現時点では正確な額は確定していませんが、2026年4月以降は、月に数百円程度の支援金が追加で必要になると見込んで準備しておくと安心です。
3.2 【年収別】シニアが負担する支援金額はどれくらい?
後期高齢者医療制度では、所得に応じて医療費の自己負担割合が決まりますが、同様に「子ども・子育て支援金」の負担額も収入によって変わります。
こども家庭庁が公表している目安額は以下のとおりです。
《2028年度》単身世帯・年収別支援金の目安額(年金収入のみの場合)
- 年収80万円:月額 50円(均等割7割軽減)
- 年収160万円:月額 100円(均等割7割軽減)
- 年収180万円:月額 200円(均等割5割軽減)
- 年収200万円:月額 350円(均等割2割軽減)
- 年収250万円:月額 550円(軽減なし)
- 年収300万円:月額 750円(軽減なし)
4. 自分の負担や制度の目的を正しく理解することが大切
今後少子高齢化が進む中で、「子ども・子育て支援金」のような負担は増える可能性があります。
この制度は、子育て世帯を社会全体で支えるために、後期高齢者を含むすべての世代や企業が協力して拠出する仕組みです。
高齢者にとっても、少子化対策が進むことは、社会や経済の安定、そして国民皆保険制度の維持につながる大切な意味があります。負担は医療保険料と一緒に徴収され、所得が低い方には軽減措置も用意されています。
こうした「支え合い」は、現役世代の負担を減らし、将来の社会保障を守るために欠かせません。これからの動きをしっかり見守りながら、自分の負担や制度の目的を理解しておくことが重要です。


