11月、朝の空気がひんやりして、街には冬支度を始める気配が漂っています。年末が近づくと、「これからの生活」や老後の準備について考える方も多いのではないでしょうか。

特に年金で暮らす世代にとって、「毎月の生活費は足りるのかな」「医療や介護に備えられるだろうか」という不安は、決して他人事ではありません。

そんな中、生活を支える制度のひとつが「年金生活者支援給付金」です。対象者や金額、請求方法など、知っておくと安心できる情報ですが、意外と知られていないのが現状です。

本記事では、この給付金の仕組みや申請の流れを、わかりやすくお伝えします。

1. そもそも「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?

年金生活者支援給付金制度は、老齢年金・障害年金・遺族年金を受給している方のうち、所得が一定基準以下の人を対象に、公的年金に上乗せして2か月ごとに支給される制度です。

給付額は年度ごとに見直され、物価の変動なども反映される仕組みになっています。

1.1 「年金生活者支援給付金制度」が創設された目的とは?

「年金生活者支援給付金制度」は、2019年10月の消費税率が8%から10%へ引き上げられた際に創設された制度です。

所得や年金額が少ない高齢者、障害年金・遺族年金の受給者などの生活を支えることを目的としており、その趣旨は「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」第1条にも明記されています。

「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

公的年金だけでは生活が厳しい人に対し、年金に「上乗せ」して現金を支給することで、最低限の生活を維持できるよう支援することを目的としています。