「保育園はママ同士が交流する機会は確かに少ないですが、お迎えの時間がかぶるママたちとは自然と話すようになります。いつも決まって会う人のなかに、ニコニコ感じの良いXさんがいました。会うたびに世間話をするようになり、いつの間にか仲良くなっていたんですよね」

Xさんは常に笑顔で接してくれる、おおらかな雰囲気のママだったそうです。しかしその正体は、かなりのモンスターペアレンツだったんだとか。

「Xさんは保育園にとにかくクレームを入れまくるママでした。私たちにはすごく親切で感じも良かったので、最初はまったく気がつかなかったんです。でも私はいつもXさんと親しくしていたので、園から見るとまるでボスと取り巻き。同類だと思われて、私のことも警戒していたそうです」

最初こそBさんも先生たちに敬遠されていたものの、直接話す機会が増えることで誤解は解けていったそうです。しかしそれと同時に、Xさんの態度もエスカレートしていきました。

「最初は私たちの前ではモンペっぽい素振りは見せていなかったんですよ。でもだんだん園で話しているときも、Xさんは先生に散々文句を言ったあと『ねぇ、Bさんもそう思うわよね?』と私に同意を求めてくるようになりました。内心すごく理不尽だとは思いつつ…子ども同士の関係もあるから、急に態度を変えたりお迎え時間をずらしたりすることもできなくて。先生たちに対しても気まずいし、あの頃は毎日送迎の時間が苦痛だったなぁ」

こちらも「あぁ〜いるよね! こういう人」と思わず言ってしまいそうになります。「私がムカつく人は、あなたもムカつくよね?」と、同じものを嫌いになるよう求めてくるタイプです。確かに女性はお互い共感することで仲を深めることもありますが、モンペの理不尽なクレームには同意できませんよね。

幼稚園や保育園はママのために行く場所ではない

みんな最初は猫をかぶっているので、「このママいい人!」と思っても、数カ月後にはとんでもない本性を現すこともあるようです。もちろん本当に仲良くなれるママ友に出会えれば、大きな財産になります。しかしそんなラッキーな人は、ほんのわずかかも。そう心得て、ママ友を作ることばかりに意識を向けないようにしておきましょう。

桜井 まどか