帝国データバンク「初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)」によれば、2026年4月入社の新卒社員の初任給を前年度から引き上げた企業は67.5%。初任給額の分布は「20万~25万円未満」が約6割、「25万〜30万円未満」は2割近くとなっています。

初任給引き上げとなった背景は人材確保や定着率向上、最低賃金上昇への対応などによるものですが、現在働いている人の中でも昨今の物価高や社会情勢の変化により、自身の年収やキャリアを考え直す方もいるのではないでしょうか。

今回は男性に視点をあてて平均的な年収をみていきましょう。

1. 日本人の平均年収は400万円台。正社員・正社員以外の平均年収はいくら?

2025年9月26日に公表された国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の給与所得者の平均年収は478万円でした。

平均年収を男女別にみると、男性は587万円、女性は333万円です。男女ともに前年比より増加しているという結果になりました。

以下で、正社員と正社員以外の場合の平均年収を見ていきましょう。

1.1 正社員(正職員)の場合

  • 全体:545万円(前年比2.8%増)
  • 男性:609万円(前年比2.5%増)
  • 女性:430万円(前年比4.1%増)

男性に限ると、正社員の平均年収は600万円を超えています。

一方で女性も平均年収が400万円を超えており、前年比で4.1%増加しています。

1.2 正社員(正職員)以外の場合

では、正社員(正職員)以外の場合はどうなのでしょうか。平均年収は以下のとおりとなっています。

  • 全体:206万円(前年比2.2%増)
  • 男性:271万円(前年比1.0%増)
  • 女性:174万円(前年比3.0%増)

正社員と正社員以外で平均年収による差は大きいですが、男女ともに前年比プラスとなっています。

2. 【男性の平均年収】年代別にみるといくら?

ここからは、年代別の平均年収を見ていきましょう。こちらも国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」を参考にしています。

年齢階層別の平均給与2/3

年齢階層別の平均給与

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

2.1 年代別の平均年収:全体(男性・女性)

  • 19歳以下:118万円(144万円・96万円)
  • 20〜24歳:277万円(295万円・258万円)
  • 25〜29歳:407万円(438万円・370万円)
  • 30〜34歳:449万円(512万円・362万円)
  • 35〜39歳:482万円(574万円・351万円)
  • 40〜44歳:516万円(630万円・359万円)
  • 45〜49歳:540万円(663万円・369万円)
  • 50〜54歳:559万円(709万円・363万円)
  • 55〜59歳:572万円(735万円・356万円)
  • 60〜64歳:473万円(604万円・294万円)
  • 65〜69歳:370万円(472万円・240万円)
  • 70歳以上:305万円(380万円・209万円)

男性の平均年収は年齢が上がるにつれて増える傾向にあります。30歳代では500万円台、40歳代では600万円台、50歳代では700万円台となりました。

一方で、女性の場合は25歳以降、ほぼ横ばいであることがわかります。

3. 【男性】業種別の平均賃金はいくら?

年収は業種や職種、会社規模などでも変わるものですが、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より、男性の業種別の平均的な賃金※を確認しましょう。

※「賃金」:調査実施年6月分の所定内給与額の平均。労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額こと。

3.1 【男性】業種別の賃金

  1. 金融業,保険業:55万3300円
  2. 学術研究,専門・技術サービス業:47万7900円
  3. 電気・ガス・熱供給・水道業:45万4500円
  4. 教育,学習支援業:44万4800円
  5. 情報通信業:42万8100円
  6. 鉱業,採石業,砂利採取業:39万5200円
  7. 不動産業,物品賃貸業:39万4500円
  8. 卸売業,小売業:38万8400円
  9. 建設業:37万9600円
  10. 医療,福祉:37万8000円
  11. 製造業:35万5900円
  12. 複合サービス事業:34万4300円
  13. 生活関連サービス業,娯楽業:32万8200円
  14. 運輸業,郵便業:32万2300円
  15. 宿泊業,飲食サービス業:30万9700円
  16. サービス業(他に分類されないもの):30万2800円

金融業,保険業、学術研究,専門・技術サービス業、電気・ガス・熱供給・水道業、教育,学習支援業、情報通信業といった順で賃金が高い傾向にあり、業種によって平均的な賃金に差があることがわかります。

職業を選ぶときにはその業種の平均的な収入をみるのも一つでしょう。もちろん職種や会社規模によっても異なりますので、多角的な面から考えてみてください。

ちなみに企業規模別の平均賃金の違いは以下の通りです。

3.2 【男性】企業規模別の平均賃金

  • 大企業42万8000円
  • 中企業35万6000円
  • 小企業32万9600円

大企業と小企業では約10万円の差が見られました。

今回は男性に視点をあてて平均的な年収をみてきましたが、本業として働ける会社は基本的に多くありません。職種や業種、会社規模をはじめとして、その会社の特徴を見て就職や転職を考えましょう。

また役職やスキルによっても収入は変わるもの。自身がどのようなキャリアを築きたいのか、これを機に考えてみてください。

参考資料

宮野 茉莉子