日本銀行「「生活意識に関するアンケート調査」(第105回<2026年3月調査>)の結果」によれば、今後1年後の物価に対する見方について「少し上がる」と答えた人が54.5%、「かなり上がる」と答えた人が29.2%となっており、8割を超える人が物価が上がると予想しています。
長引く物価高。節約をするだけでは貯蓄が心もとなかったり、節約疲れをしたりする方もいるでしょう。このような状況だからこそ支出を抑えるだけでなく、収入を増やすことも考えたいところ。
住む場所によって働き方や暮らし、収入や支出などの家計も変わるものですが、東京に住む共働き世帯の仕事や収入状況はどうなっているのでしょうか。
今回は東京都に住む共働き世帯に視点をあて、そのお金や働き方などの事情をみていきます。
1. 【東京都】子育て世帯で共働きの割合は6割台。前回調査より5.2ポイント増
今回は東京都福祉局の「令和4年度 東京の子供と家庭」を参考に、まず子育て世帯で共働きの割合をみていきます。
※調査対象…東京都内に居住する小学生までの子どもを養育する両親世帯・東京都内に居住する20歳未満の子どもを養育するひとり親世帯
まず、両親のいる世帯の共働きの割合は66.7%でした。過半数以上の世帯が共働きであることがわかります。前回の平成29年度の調査では61.5%だったので、共働き世帯の割合は増えていることがわかります。
また、1番下の子どもの年齢別に共働きの割合を確認すると以下のとおりでした。
1.1 令和4年度の調査
- 1歳未満:73.3%
- 1〜3歳未満:68.0%
- 3〜6歳未満:68.5%
- 6〜9歳未満:62.1%
- 9〜12歳未満:64.6%
- 12歳以上:70.5%
1番下の子どもが1歳未満と12歳以上で共働きの割合が7割を超えました。
2. 【東京都の共働き・子育て世帯】女性の「正社員・正社員以外」の割合とは?
次に共働き世帯の女性の雇用形態も見ていきましょう。
2.1 【令和4年度】母の従業上の地位
- 正規の職員・従業員:47.8%
- パート・アルバイト:29.9%
- 自営:7.0%
- 契約社員・嘱託:3.8%
- 労働者派遣事業所の派遣社員:3.0%
- 会社・団体等の役員:1.9%
- その他:1.4%
- 無回答:5.3%
最も多いのは「正規の職員・従業員」で47.8%です。令和4年度は平成29年度と比較して、「正規の職員・従業員」の割合が5.7ポイント増加しています。
一方で「パート・アルバイト」の割合は約3割であり、平成29年度と比較すると令和4年度は5.4ポイント減少しています。
東京の共働き世帯で母の雇用形態は正社員が増加しており、約半数を占めていることがわかります。
父母の仕事の種類もみていきましょう。
2.2 父の仕事の種類
- 管理的な仕事:17.8%
- 専門的・技術的な仕事:35.9%
- 事務の仕事:9.2%
- 販売の仕事:9.3%
- サービスの仕事:9.6%
- 保安の仕事:0.7%
- 農林漁業の仕事:0.1%
- 生産工程の仕事:1.1%
- 輸送・機械運転の仕事:1.9%
- 建設・採掘の仕事:3.9%
- 運搬・清掃・包装等の仕事:1.2%
- その他の仕事:5.4%
- 無回答:3.8%
父は専門的・技術的な仕事、管理的な仕事の順で多く、次に事務の仕事、販売の仕事、サービスの仕事が同程度でした。
2.3 母の仕事の種類
- 管理的な仕事:4.7%
- 専門的・技術的な仕事:30.6%
- 事務の仕事:30.7%
- 販売の仕事:7.2%
- サービスの仕事:12.8%
- 保安の仕事:0.2%
- 農林漁業の仕事:0%
- 生産工程の仕事:0.9%
- 輸送・機械運転の仕事:0.2%
- 建設・採掘の仕事:0.2%
- 運搬・清掃・包装等の仕事:1.3%
- その他の仕事:7.1%
- 無回答:4.1%
母は専門的・技術的な仕事と事務の仕事が同程度で多く、次にサービスの仕事が多くなりました。
3. 【東京都の共働き・子育て世帯】世帯年収1000万円以上の割合とは?
では、子育て世帯かつ共働き世帯で年収1000万円以上の割合はどれくらいでしょうか。
3.1 【東京都の共働き・子育て世帯】世帯年収一覧表
- 収入なし:-
- 100万円未満:0.3%
- 100〜200万円未満:0.6%
- 200〜300万円未満:1.1%
- 300〜400万円未満:4.5%
- 400〜500万円未満:6.3%
- 500〜600万円未満:8.4%
- 600〜800万円未満:18.7%
- 800〜1000万円未満:19.8%
- 1000〜1200万円未満:15.9%
- 1200〜1500万円未満:10.8%
- 1500万円以上:11.8%
- 無回答:1.8%
年収1000万円以上の世帯は38.5%となっており、およそ4割近くの世帯が年収1000万円以上でした。
一方で、年収500万円未満の世帯も1割を超えています。
4. まとめにかえて
東京都は住居費や教育費などが高く、コストがかかる印象があるでしょう。一方で世帯年収1000万円以上の割合も一定数おり、まとまった収入がある世帯もあります。
将来に向けた貯蓄を考える場合、貯蓄は収入から支出を引いた分でできるものですから、どのような働き方をして収入を増やし、どのような暮らしをして支出を減らすか考えることが大切です。
特に子育て世帯の場合、子どもの年齢によってもかかる費用は変わります。保育園と小学生でもかかるお金は変わりますし、年齢が上がるにつれ公立か私立か、塾はどうするか、大学は仕送りが必要か…などによっても教育費は変わるでしょう。
どこで暮らしていくかは長い目でも見て考え、計画を立てていきたいものですね。
収入を増やす方法は人が働くだけでなく、お金に働いてもらう資産運用といった選択肢もあります。さまざまな選択肢について情報収集しながら、自身がとれるリスクや選択肢を考え、家計や貯蓄について考えてみるといいでしょう。
参考資料
宮野 茉莉子