3. 強みは「社会保険料の逆進性」の緩和
給付付き税額控除の強みは、社会保険料の逆進性を緩和できる点にあります。高市総裁自身も、以下のように発言しています。
「社会保険料の逆進性を考えると最もメリットがあり、中所得、低所得の方々を応援する方法だ。」
社会保険料の逆進性とは、所得の低い人ほど納める社会保険料の負担割合が重くなる現象です。
社会保険料は、所得に応じて税率が上がる所得税の累進課税とは異なり、収入がある一定額を超えると保険料の算定に上限(キャップ)が設けられています。
そのため、収入全体に占める社会保険料の負担割合は、高所得者ほど低くなり、逆に低所得者の家計ほど圧迫されるという「逆進性」という問題を抱えています。
こうしたマイナスな性質を解消しつつ、どの所得層の人にも支援が届くようにするための制度が、給付付き税額控除なのです。
一方、給付付き税額控除には課題も存在します。次章で解説します。