2026年2月8日の投開票まで、いよいよ残りわずかとなった衆議院選挙。
物価高が続き、家計のやりくりに頭を悩ませる人も多い中、今回の選挙で大きな争点となっているのが「税と社会保障」です。各党は「減税」「負担軽減」「手取りアップ」などを掲げていますが、その中でも注目度が高いのが消費税の扱い。
毎日の買い物で必ず支払っている消費税は、実際にはどんな仕組みで、何に使われているのでしょうか。暮らしに直結するテーマだからこそ、投票前にあらためて「消費税と社会保障の関係」を整理しておきましょう。
1. 【消費税】税収はおよそ24.9兆円!消費税の使い道「集めたお金は何に使われる?」
2025年度予算ベースで、消費税による税収は約24兆9000億円にのぼる見通しです。一見すると巨額ですが、このお金を国が好きなように使えるわけではありません。
2014年度以降、消費税の税収は法律によって使い道が決められており、原則として社会保障の財源に充てられる仕組みになっています。
1.1 《消費税と社会保障》知られざる関係
消費税の税収が充てられるのは、いわゆる「社会保障4経費」です。
- 年金
- 医療
- 介護
- 子ども・子育て支援
つまり、消費税は公共事業や防衛費などに幅広く使われているわけではなく、私たちの生活を支える社会保障に特化した財源だということが分かります。
1.2 それでも社会保障の財源は不足している「およそ10兆円の不足」
「消費税をこれだけ払っているのに、なぜ不安が消えないのか」その理由は、社会保障にかかるお金の規模にあります。
2025年度当初予算では、社会保障4経費の総額は約34兆円。一方で、消費税(国税分)の収入は約24.9兆円にとどまります。差し引きすると、およそ10兆円の不足。
この足りない分は、他の税金や国債(国の借金)で補われているのが現実です。それでも消費税が重視されるのは、現役世代だけでなく高齢者も含めて広く負担する仕組みで、景気に左右されにくい安定財源だからです。
2. 【消費税】国の収入のおよそ3割!景気悪化でも落ち込みにくい《最大の財源》
日々の買い物で支払う消費税は、国全体で見るとどのくらいの規模になるのでしょうか。国が公表している令和7年度(2025年度)一般会計歳入の当初予算をもとに見てみましょう。
一般会計歳入とは、社会保障、教育、防衛など、国の基本的な政策に使われるお金の収入部分を指します。
2025年度の一般会計歳入は約115兆円。そのうち、税収全体は約77兆円ですが、内訳を見ると消費税の存在感が際立ちます。
- 消費税:約24.9兆円
- 法人税:約19.2兆円
- 所得税:約18.2兆円
現在、消費税は国の税収の約3割を占める最大の財源です。景気が悪化しても急激に落ち込みにくいことから、国の財政運営に欠かせない収入源となっています。
3. 【消費税】なぜこんなにややこしい?「10パーセントと8パーセント」軽減税率のしくみ
現在の消費税率は原則10%ですが、すべてが同じ税率ではありません。一部の品目には軽減税率(8%)が適用されています。
対象となるのは主に以下の2つです。
- 酒類・外食を除く飲食料品
- 定期購読されている紙の新聞
ただし、適用条件は細かく、私たちが戸惑うケースも少なくありません。
3.1 線引きは意外とシビア「本みりんは10パーセント、みりん風は8パーセント」
税率が8%になるか10%になるかは、提供方法や契約形態によって細かく分かれます。
軽減税率のポイントは、「商品そのもの」だけでなく提供方法や性質です。
- 新聞:定期購読の紙媒体のみ8%。駅売店や電子版は10%
- 食事:店内飲食は外食扱いで10%、持ち帰りは8%
- 飲料:酒類や本みりんは10%、水やお茶、ノンアルコール飲料は8%
例えば、ノンアルコールビールでも、飲食店で注文すれば10%、スーパーで買えば8%。日常の中に、こうした「税率の分かれ目」が存在しています。
4. まとめにかえて
「消費税を払っているのに、生活は楽にならない」そう感じる人は多いかもしれませんが、数字を見ていくと、集めた消費税以上に社会保障費がかかっているという現実が浮かび上がります。
衆院選の投開票が目前に迫る今、各党が掲げる「減税」や「負担軽減」の言葉だけでなく、その先にある財源の確保や社会保障の持続性にも目を向けることが重要です。
この選挙は、国の話であると同時に、私たち一人ひとりの暮らしと将来に直結する選択。投票前に、消費税と社会保障の関係をあらためて考えてみてはいかがでしょうか。




