4. 高齢者の就業率は上昇傾向
最後に、高齢者の就業率を見ていきましょう。
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると65~69歳の就業率はここ10年間で約10ポイント上昇し、2023年には52% となっています。
就業率の推移

出所:内閣府「令和6年版高齢社会白書 1 就業・所得」
多くの高齢者が定年後も「年金だけでは不安」「まだ元気だし働きたい」などと考え、働き続けることも普通になりつつあります。
5. まとめにかえて
65歳以上の無職夫婦世帯の平均をデータで見ると、次の通りです。
- 貯蓄:平均値 2560万円
- 年金(月額):厚生年金 14万6429円、国民年金 5万7584円
- 生活費(月額):28万6877円
年金だけで生活が成り立つ世帯は一部に限られ、多くの人が貯蓄の切り崩しや再就職・再雇用などで家計を支えていると考えられるでしょう。
これから老後を迎える世代は、将来を見据え、今から積立投資や貯蓄で老後に備えつつ、どのような生活を望むのかを考えてみましょう。
参考資料
宮野 茉莉子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
くらしとお金の経済メディア『LIMO』編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有し、支店にて国内外株式、債券、投資信託、保険商品などの販売を通じて個人顧客向け資産運用コンサルティング業務に従事し、個人のお金の悩みを解決してきた。特に投資信託や株式、債券などを用い、顧客ニーズにあわせた丁寧でわかりやすい資産運用提案が強み。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』編集長。厚生労働省や金融庁など官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、社会保障制度、貯蓄、教育、キャリアなどをテーマに執筆。3児のひとり親で中学・高校社会科(公民)教員免許保有。趣味は音楽鑑賞と読書(2025年9月21日更新)