空が高く澄み渡る秋。ふと、ご自身の老後の生活やお金について、思いを馳せる方もいるのではないでしょうか。漠然とした不安を抱えている人は少なくありません。

さて、いよいよ明日10月15日(水)は、2か月に一度の年金支給日です。

年金制度は複雑で、「将来、自分はいくら受け取れるのか」見当がつかないという人も多いでしょう。また、リタイア後の生活費も、旅行や趣味など、どんなセカンドライフを送りたいかによって、必要となる貯蓄額は大きく変わってきます。

そこで今回は、シニア世帯の平均的な生活費や年金受給額について詳しく見ていきます。老後対策の参考にご覧ください。

1. 老後「公的年金・恩給」だけで生活できるシニア世帯は43.3%

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%公的年金や恩給だけで生活できている世帯は「43.4%」となりました。

つまり、現在の高齢者世帯の約6割は、公的年金だけでは生活費をまかなえず、就労収入や貯蓄の取り崩しなどで不足分を補っていることがわかります。

総務省「統計からみた我が国の高齢者」によると、65〜69歳の就業率は52.0%、70〜74歳では34.0%に達しており、高齢者の働く割合は過去最高水準となっています。

また、厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査」では、65歳以上の高齢者世帯の55.8%が「生活が苦しい」と回答。多くのシニアが経済的な不安を抱えていることが分かります。

これらのデータから、「老後は公的年金だけで生活できる」という考えが現実的ではないと言えます。

では実際に、シニア世帯の1か月あたりの家計収支はどのような状況なのでしょうか。