1. 日経平均は過熱感が高まり反落

2025年10月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比491円64銭安の4万8088円80銭となりました。足元で過去最高値を更新するなど急騰していたことから、短期的な過熱感が高まり利益確定の売りが広がりました。3連休を前に持ち高調整の売りに回る投資家も多くなりました。一方で、9日の取引終了後に2026年8月期(今期)の連結純利益が前期比増の4350億円になるとの見通しを発表したファーストリテイリングが買われ、同銘柄だけで日経平均を約260円押し上げました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。新政権に対する不透明感が広がっています。10日、公明党の斉藤鉄夫代表が、自民党の高市早苗総裁に連立政権から離脱する方針を伝えました。高市総裁の保守的な言動や、企業・団体献金の規制強化や政治資金の不記載問題の真相解明が不十分だったことなどが理由だとされます。

そこで注目されるのが、次の首相を選ぶ臨時国会の首相指名選挙です。公明党が連立を離脱したため、野党が結束すれば自民党の高市総裁の得票を上回る可能性が出てきたからです。衆院定数は465議席で、全議員が投票すれば233が過半数となります。現時点では自民党196、公明党24で計220の基礎票がありましたが、公明が離脱したため、自民党からしか得票できなければ、野党連合が勝ちます。つまり政権交代できるのです。野党内には国民民主党の玉木雄一郎代表に一本化するという声もあります。ただし、公明党は、首相指名選挙で同党の斉藤鉄夫代表の名前を書くと公表しています。

首相指名選挙が行われる国会召集は20日か21日の予定です。首相指名選挙の結果が出るまでは相場が様子見傾向になることも考えられますが、仮に高市総裁が首相に指名されたとしても、少数与党になることから、政治の不透明感が高まることは間違いありません。2025年度補正予算案や26年度予算案で野党から反対されれば、政策が実現せず行き詰まる可能性もあります。海外の投資家は政治の不透明感に嫌気を覚える傾向があり、下値圧力になることも考えられます。

仮に高市総裁が首相に指名されたとしても、少数与党になることから、政治の不透明感が高まることは間違いありません。海外の投資家は政治の不透明感に嫌気を覚える傾向があり、下値圧力になることも考えられます。

日経平均株価

shutter_tonko/shutterstock.com