2. 「約半数を占める障害とは?」約478万人が所持!でも減少傾向なのはなぜ?

身体障害者手帳交付台帳は、身体障害者福祉法施行令に基づき、各都道府県等が手帳の交付状況を管理している公的な台帳です。この台帳に登載されたデータから、手帳所持者の障害別種類と、その数の年次推移を見ていきましょう。

2.1 身体手帳所持者の障害別種類

身体障害者手帳交付台帳登載数

身体障害者手帳交付台帳登載数

出所:厚生労働省「令和5年度福祉行政報告例の概況」

2023年度(令和5年度)における身体障害者手帳交付台帳登載数の総数は478万3069件でした。障害種類別に見ると、最も多くを占めるのが肢体不自由で、233万4864件(48.8%)と約半数に達しています 。次いで多いのが、心臓や腎臓などの機能障害を含む内部障害で、162万8015件(34.0%)でした 。これら肢体不自由と内部障害の2種類で、全体の8割以上を占めています。

その他の障害では、視覚障害が44万2400件(9.2%)、聴覚・平衡機能障害が31万9724件(6.7%)、音声・言語機能またはそしゃく機能障害が5万8066件(1.2%)という内訳です 。

2.2 身体障害者手帳の交付数は「減少傾向」に

身体障害者手帳交付台帳登載数の推移

身体障害者手帳交付台帳登載数の推移

出所:厚生労働省「令和5年度福祉行政報告例の概況」

身体障害者手帳交付台帳登載数の総数は、近年一貫して減少傾向にあります 。2019年度の504万7741件から2023年度の478万3069件へと、5年間で26万4672件減少しました 。特に直近の推移を見ると、前年度(2022年度)と比較して2023年度は5万9216件(1.2%)の減少となりました 。

この減少は、18歳以上の登載数(469万2615件)と18歳未満の登載数(9万454件)の両方に見られ 、医療の進歩や社会環境の変化など、複数の要因が背景にあることがうかがえます。