2. 【厚生年金】月額17万円以上を受けとる”男性”はどれくらいいる?
厚生年金の年金額は、現役時代の収入によって個人差が大きいといわれていますが、実際にどのくらいの差なのか気になるところではないでしょうか。
厚生労働省の資料「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は男女全体で14万6429円でした。男性の厚生年金の平均月額は16万6606円ですが、これを上回る「月額17万円以上」を受けとる人はどれくらいいるのでしょうか。
※下記の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
《男性》平均年金月額:16万6606円
- 厚生年金受給権者:1060万1923人
- 厚生年金を月額17万円以上受け取っている人: 545万5876人
545万5876人 ÷ 1060万1923人 = 51.4%
男性のうち、厚生年金を月額17万円以上受給している人の割合は約5割強です。
また、1万円刻みで受給額分布を確認し、個人差も見てみましょう。
- ~1万円未満:3万1124人
- 1万円以上~2万円未満:9964人
- 2万円以上~3万円未満:4854人
- 3万円以上~4万円未満:5556人
- 4万円以上~5万円未満:1万6964人
- 5万円以上~6万円未満:4万4925人
- 6万円以上~7万円未満:15万742人
- 7万円以上~8万円未満:23万3019人
- 8万円以上~9万円未満:25万1493人
- 9万円以上~10万円未満:26万163人
- 10万円以上~11万円未満:31万8909人
- 11万円以上~12万円未満:40万5745人
- 12万円以上~13万円未満:49万605人
- 13万円以上~14万円未満:59万2908人
- 14万円以上~15万円未満:70万5625人
- 15万円以上~16万円未満:81万801人
- 16万円以上~17万円未満:89万8441人
- 17万円以上~18万円未満:96万5766人
- 18万円以上~19万円未満:96万3492人
- 19万円以上~20万円未満:89万5555人
- 20万円以上~21万円未満:77万4880人
- 21万円以上~22万円未満:60万9087人
- 22万円以上~23万円未満:42万4910人
- 23万円以上~24万円未満:27万9564人
- 24万円以上~25万円未満:18万4971人
- 25万円以上~26万円未満:11万7592人
- 26万円以上~27万円未満:7万451人
- 27万円以上~28万円未満:3万9677人
- 28万円以上~29万円未満:2万723人
- 29万円以上~30万円未満:9494人
- 30万円以上~:1万3923人
平均をやや上回る「17万円以上~18万円未満」がボリュームゾーンとなっています。ごく少数ながら、月額30万円以上受け取っている人も存在します。
年金収入だけで現役時代と同じ生活レベルを維持するのは難しいと感じる世帯は、決して少なくないでしょう。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でご自身の年金見込額を確認しておくことが大切です。
3. 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で見込額をチェックしてみよう!
少子高齢化により、将来的に年金の支給水準は今よりも引き下げられる可能性は否定できない状況にあります。
こうした不確実な状況だからこそ、現時点でわかる範囲で老後の収支を試算し、これをもとに生活設計をすることが大切です。
老後の生活に安心感を持つための第一歩は、まず「自分の年金がいくらもらえるのか」を正確に把握することです。
年金の見込受給額は、ねんきん定期便やねんきんネットで調べることができます。
厚生労働省の公的年金シミュレーターで、ご自身の年金加入状況や年収を入力して、今後の働き方も踏まえた年金額の試算をすることもできます。
年に一度、「ねんきん定期便」が届いたタイミングなどを活用して、ご自身の年金記録や見込額を定期的にチェックしましょう。老後の不安を「漠然としたもの」から「具体的な数字」に変えることが、安心できる老後を迎えるための最も確実な対策となります。
参考資料
和田 直子