2024年の調査によると、年収300万円以上の世帯では金融資産全体に占める債券・株式・投資信託の割合が30%を超えています。NISA制度の拡充や低コストの投資信託の登場で、幅広い層に投資が浸透している状況です。
また富裕層と超富裕層は2021年から11.3%増加し、株高や円安の影響を受けています。効率的な資産形成を進めるために、株式や不動産などの資本を持つことは欠かせません。
1. 年収別に見る「金融資産のリアル」預貯金・株式・債券・投資信託の保有状況
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を見ると、世帯年収ごとに「どのような金融資産を保有しているのか」という情報がわかります。
金融資産保有額と、それぞれの資産の保有額を見ていきましょう。
1.1 金融資産保有額
- 全国: 1374万円
- 収入はない: 249万円
- 300万円未満: 661万円
- 300~500万円未満: 1065万円
- 500~750万円未満: 1233万円
- 750~1000万円未満: 1939万円
- 1000~1200万円未満: 2069万円
- 1200万円以上: 4178万円
- 無回答: -
1.2 預貯金(運用または将来の備え)
- 全国: 582万円
- 収入はない: 154万円
- 300万円未満: 322万円
- 300~500万円未満: 446万円
- 500~750万円未満: 533万円
- 750~1000万円未満: 750万円
- 1000~1200万円未満: 821万円
- 1200万円以上: 1781万円
- 無回答: -
1.3 債券
- 全国: 66万円
- 収入はない: 1万円
- 300万円未満: 14万円
- 300~500万円未満: 35万円
- 500~750万円未満: 83万円
- 750~1000万円未満: 114万円
- 1000~1200万円未満: 76万円
- 1200万円以上: 195万円
- 無回答: -
1.4 株式
- 全国: 260万円
- 収入はない: 15万円
- 300万円未満: 111万円
- 300~500万円未満: 237万円
- 500~750万円未満: 219万円
- 750~1000万円未満: 348万円
- 1000~1200万円未満: 311万円
- 1200万円以上: 872万円
- 無回答: -
1.5 投資信託
- 全国: 155万円
- 収入はない: 41万円
- 300万円未満: 65万円
- 300~500万円未満: 103万円
- 500~750万円未満: 109万円
- 750~1000万円未満: 300万円
- 1000~1200万円未満: 340万円
- 1200万円以上: 437万円
- 無回答: -
1.6 「債券・株式・投資信託の合計額」と「金融資産保有額全体に占める割合」
- 全国: 35.01%
- 収入はない: 57万円(22.89%)
- 300万円未満:190万円(28.74%)
- 300~500万円未満: 375万円(35.21%)
- 500~750万円未満: 411万円(33.33%)
- 750~1000万円未満:762万円(39.30%)
- 1000~1200万円未満: 727万円(35.14%)
- 1200万円以上: 1504万円(36.00%)
- 無回答: -
資料を見ると、年収が「300~500万円未満」から上の世帯は、金融資産保有額全体に占める金融資産保有額全体に占める債券・株式・投資信託の割合が30%を超えています。
NISA制度の拡充や低コストの投資信託が登場し、投資そのもののハードルが下がったことで、幅広い層に投資が浸透している状況が見て取れるでしょう。