老後は、「仕事のストレスから解放され自分の趣味に時間を費やす悠々自適な生活を送りたい」と思う人もいるでしょう。

ただし、そのような老後を送れる人は少数派かもしれません。物価高や長寿化が進む日本では、60歳以降も働く人が増えています。

そこで本記事では、60歳・70歳で働く人の割合を紹介します。年金の平均受給額も併せて説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 働く60代・70代はどのくらいいるの?

60歳で定年退職をした後も、再雇用や再就職で働く人が増えています。総務省「統計からみた我が国の高齢者」によると、日本の2024年における年齢階級別就業率は以下のとおりです。

1.1 年齢階級別の就業率

年齢階級 就業率

  • 65~69歳 53.6%
  • 70~74歳 35.1%
  • 75歳以上 12.0%

65~69歳の就業率は53.6%と、実に半数以上が働いています。定年は60歳や65歳が一般的なため、多くの人が再雇用や再就職の形で労働市場に残っていることがわかります。

さらに70~74歳でも就業率は35.1%にのぼり、3人に1人は現役として働いています。

75歳以上でも1割強が仕事を続けていることを踏まえると、「定年後は働かずに老後生活をスタートする」というモデルケースは、すでに多数派ではなくなりつつあるといえるでしょう。

ちなみに、2014年における65~69歳の就業率は40.1%のため、ここ10年で13.5%も上昇しています。

もちろん「社会とつながりたい」「健康のために体を動かしたい」といった理由で働く人もいますが、経済的に働かざるを得ない人も多い傾向にあります。