3. 初めてのバラ栽培《苗の選び方&育て方》5つのコツ

バラの根元に肥料を撒く様子

Ludmila Kapustkina/shutterstock.com

3.1 品種選びと苗の種類

バラ栽培で最初の一歩となる品種選びが成功の鍵を握ります。初心者は、何よりもまず耐病性が高く丈夫な品種を選ぶことがポイント。無農薬での栽培が可能になり、手入れの負担が軽減できます。

また、購入する苗の種類も重要です。その年に接ぎ木された新苗は安価ですが、株が未成熟。前年にしっかり育てられた大苗は、根が充実していて丈夫なため、初心者でも安心して育てられます。

3.2 適切な水やり

地植えのバラは基本的に雨水で十分ですが、鉢植えは水切れを起こしやすいため、夏はとくに水やりが必要。土の表面が乾いていたら、鉢底から水が流れ出てくるまで、たっぷりと与えます。

水の与え過ぎや気温が高い時間帯の水やりは、根を傷める原因になるので避けましょう。

3.3 肥料や活力剤

バラは美しい花を咲かせるために、豊富な栄養を必要とします。初心者にはバラ専用の肥料がおすすめ。植込みの際に元肥として土に混ぜ込み、バラの活動期である春と秋に追肥します。

休眠期の冬は翌年の芽吹きを促進するため、寒肥を与えましょう。ただし、パッケージの規定量を必ず守り、肥料を与えすぎないように。暑さや病気で株が弱ってきたと感じたときは、活力剤を使うのも効果的です。

3.4 病虫害対策

バラがかかりやすい病気は、葉に黒い斑点が出る「黒星病」と、白い粉をまぶしたようになる「うどんこ病」です。これらは風通しと品種選びで、そのリスクは大きく下げられます。

もし病気や害虫が発生したら、すぐに感染した葉を取り除いて蔓延を防ぎましょう。予防として、多湿な梅雨時など、病気が発生しやすい時期に、バラ用の殺菌剤を定期的に散布するのもおすすめです。

3.5 夏と冬の剪定

夏と冬に剪定をしますが、とくに重要なのが、葉が落ちた冬の休眠期におこなう「冬剪定」。全体の樹形を決め、太い枝だけを残して、春に力強い新芽を出す準備をします。

慣れないうちは難しく考えず、枯れた枝や細すぎる枝を、根元から整理することから始めましょう。夏は伸びすぎた枝を軽く切り戻して樹形を整えます。

4. 育てやすいバラから始める豊かなバラ生活

バラ栽培を始めるなら、丈夫で扱いやすい品種を選ぶことが成功への近道。病気に強いだけでなく、個性的な花形や複雑な色彩、そして濃厚な香りを兼ね備えたバラも数多くあります。

お手入れのしやすさと花の美しさを両立した、初めてのバラ栽培にぴったりの品種を選んで、豪華な花が咲き誇る豊かなバラ生活を満喫してみませんか。