11月に入り、街の木々もすっかり色づき、年末に向けて慌ただしさを感じる季節になってきました。この時期になると、年末調整や来年の給与の話題がちらほら聞こえてきて、自分の収入や働き方について改めて考える方も多いのではないでしょうか。
そんな中で、安定した職業として知られる「銀行員」の年収が実際どれくらいなのか、気になる方もいるかもしれません。
年代によってどんな違いがあるのか、そして業界全体の平均と比べてどうなのか。
そうした疑問に答えるべく、本記事では銀行員の平均年収を20歳代から60歳代までの年代別に紹介し、全体平均との比較を交えながら、銀行員の給与の実態をわかりやすく解説していきます。
1. 【元銀行員が解説】銀行員の「平均年収」ってどれくらい?
政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和6年」によると、銀行員の平均年収は以下のとおりです。※ここでいう銀行員は、「金融営業職業従事者」に該当します。
- 平均年収:約631万1200円
・きまって支給する現金給与額(※1):40万1900円
・年間賞与・その他特別給与額(※2):148万8400円
また、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体の平均年収は478万円とされています。
給与所得者全体の平均年収と比較すると、銀行員の平均年収は相対的に高い水準といえます。
ただし、この数値は全年齢層を対象にした平均値であるため、実際の収入は年齢やキャリアによって大きく異なります。
次章では、銀行員の年齢別の「月収」「ボーナス」「年収」の平均額を確認していきます。
※1 きまって支給する現金給与額:毎月定期的に支払われる基本給や各種手当を含む月ごとの給与部分
※2 年間賞与・その他特別給与額:年に数回支給される賞与や臨時の特別手当などを指すもの
1.1 【年齢別で比較】銀行員の「月収・ボーナス」一覧表
政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査」によると、年齢別における銀行員の平均的な「月収・ボーナス」は以下の結果となっています。
年齢層:平均月収:ボーナス
- ~19歳:18万8100円:12万500円
- 20~24歳:27万6800円:48万3100円
- 25~29歳:33万9100円:119万600円
- 30~34歳:40万5200円:158万3400円
- 35~39歳:46万4200円:189万3700円
- 40~44歳:49万600円:213万7400円
- 45~49歳:46万4500円:183万円
- 50~54歳:47万2200円:186万7000円
- 55~59歳:45万5100円:170万9100円
- 60~64歳:33万4100円:109万7600円
- 65~69歳:33万6700円:100万9200円
- 70歳~:26万8400円:35万1900円
続いて、上記データを踏まえ、年齢ごとの銀行員の「平均年収」を確認していきます。
1.2 【年齢別で比較】銀行員の「平均年収」一覧表
政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和6年」によると、銀行員の平均年収は年齢層によって大きく差があります。
以下では、年齢別の平均年収を整理して見ていきましょう。
年齢層:平均年収
- ~19歳:229万7000円
- 20~24歳:380万4700円
- 25~29歳:526万5200円
- 30~34歳:644万5800円
- 35~39歳:745万8100円
- 40~44歳:802万4600円
- 45~49歳:740万4000円
- 50~54歳:753万3400円
- 55~59歳:717万300円
- 60~64歳:510万6800円
- 65~69歳:504万9600円
- 70歳〜:357万2700円
銀行員の年収は、20〜30歳代で大きく伸び、40歳代で最も高い水準に達します。
その後も50歳代までは高い収入を維持する傾向にありますが、60歳代に入ると再雇用などの影響で大幅に収入が減少することがデータから読み取れます。
次章では、こうした銀行員の年収を「給与所得者全体」の平均年収と年齢別に比較し、その差を確認していきましょう。

