日中は過ごしやすい日が増え、秋の深まりを感じるようになりました。
年末まであと3カ月となり、「お金の計画」について考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
働いている方の場合、現役時代には毎月給与が支払われます。
しかし年金生活においては、2カ月に1度の偶数月が年金支給日となるため、計画的に家計をまわしていく必要があります。
厚生年金や国民年金などの公的年金は、老後生活の柱となる大切なものですが、ご自身が実際にいくら受け取れるのかご存知でしょうか。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金の平均月額は5万7584円、厚生年金+国民年金の平均月額は14万6429円です。
男性の平均月額が16万円超となっている一方で、女性の平均月額は10万円台となっており、男女間で大きな差があります。
ただし、年金の加入期間や収入などにより、老後受給できる年金額には個人差が生じます。
今回は、60歳代~90歳以上のシニア世代が受給している「平均年金月額」や、2025年度の最新の年金額についてわかりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
1. 【2025年10月】飲食料品値上げは3024品目に!前年同月より3.4%増
帝国データバンクが9月30日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2025年10月の飲食料品値上げは3024品目となり、前年10月(2924品目)から100品目・3.4%増となりました。
食品分野別にみると、焼酎やリキュール、日本酒などアルコール飲料を中心とした「酒類・飲料」が最も多く、2262品目となりました。
2025年通年においても、「酒類・飲料」(4871品目)は、清涼飲料水のほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で8割を超える大幅増となっています。
次いで「加工食品」(340品目)となり、包装米飯や餅製品が中心となりました。
「調味料」(246品目)では、焼肉のたれやみそ製品などの値上げが目立ちます。
いずれも食卓に欠かせない食品類の値上げが続いており、家計への打撃は避けられない状況といえるでしょう。
食品の値上げは、これで10カ月連続で前年同月を上回る結果となり、値上げが常態化しつつある実情が明らかになっています。
単月でみると、10月の値上げは5カ月連続で1000品目を超えており、連続増加期間は統計開始の2022年以降で最長を更新し続けています。
また、4月(4225品目)以来6カ月ぶりに3000品目を上回りました。
一方で、11月に値上げが予定されている食品は9月末時点で100品目に満たず、11カ月ぶりに前年の同月を下回る見込みです。
これにより、続いてきた飲食料品の値上げラッシュは年末にかけていったん落ち着きそうです。
年間の値上げ品目数も、値上げが本格化した2022年の2万5768品目という水準には及ばず、2万1000品目前後で着地すると予測されます。
物価の上昇が続くなかで、毎日の家計をやりくりしつつ、将来の老後資金の備えも同時に進めていくことが求められます。
2. 【おさえておきたい】公的年金の「2階建ての仕組み」とは?
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つから構成されているため、下の体系図のような「2階建て」構造と呼ばれています。
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出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
2.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
国民年金制度の加入対象は、原則として国内居住者のうち「20歳以上60歳未満」のすべての人々です。
年金保険料は全国一律で、年度ごとに見直しが実施されます(※1)。40年間保険料を漏れなく納めた人は、65歳以降に満額の老齢基礎年金(※2)を受給できるようになります。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
2.2 2階部分:《厚生年金》
厚生年金制度に加入するのは、会社員や公務員、さらに特定適用事業所(※3)で働くパートなど、一定の要件をクリアした人で、国民年金と併せて加入する制度となっています。
- 年金保険料(※4):給与水準により決定する(上限あり)
- 老後の受給額:加入した期間や支払った保険料によって個人ごとにばらつきが出る
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
「2階建て構造」で説明される日本の公的年金制度は、1階が「国民年金」、2階が「厚生年金」となっていますが、加入対象となる人や保険料の決まり方、将来受給できる年金額などに大きな差があります。
2.3 2025年度の年金改定「前年度より1.9%増」年金額はいくらになった?
公的年金は、賃金や物価の動向を考慮して年度ベースで年金額を更新する制度となっています。
2025年度の年金額は、昨年度より1.9%のプラス改定です。
国民年金(老齢基礎年金)は満額で月額6万9308円(1人につき)、厚生年金はモデル世帯(会社員の夫と国民年金のみの妻)で月額23万2784円(夫婦2人の合計)となっています。
もっとも、実際に受給できる年金額は、働いていたときの年金加入履歴によって個人ごとに違いが生じます。
3. 【年金一覧表】60歳代「厚生年金+国民年金」平均月額はいくら?
今のシニア層が実際に受け取れる年金額はいくらくらいなのでしょうか。
厚生労働省年金局が発表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、年齢ごとの平均年金月額を一覧形式で見てみましょう。
はじめに厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額を確認します。
3.1 【年金一覧表】60歳〜69歳「厚生年金+国民年金」平均月額
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。
3.2 【年金一覧表】70歳〜79歳「厚生年金+国民年金」平均月額
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
3.3 【年金一覧表】80歳〜89歳「厚生年金+国民年金」平均月額
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
3.4 【年金一覧表】90歳以上「厚生年金+国民年金」平均月額
- 90歳以上:厚生年金16万721円
標準的な年金受給開始年齢は65歳となっています。65歳以降の各年齢で受け取れる厚生年金の平均年金月額は、14万円~16万円台でした。
4. 【年金一覧表】60歳代「国民年金」平均月額はいくら?
続いて、国民年金(老齢基礎年金)について、各年齢で受給できる平均年金月額を見ていきます。
4.1 【年金一覧表】60歳〜69歳「国民年金」平均月額
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
※65歳未満の国民年金(老齢基礎年金)受給者は繰上げ受給を選択した方。
4.2 【年金一覧表】70歳〜79歳「国民年金」平均月額
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
4.3 【年金一覧表】80歳〜89歳「国民年金」平均月額
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
4.4 【年金一覧表】90歳以上「国民年金」平均月額
- 90歳以上:国民年金5万3621円
65歳以降の人が受給できる国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は、どの年齢でも5万円台となっています。
5. 【厚生年金・国民年金】60歳~90歳以上「男女別の平均月額」はいくら?
60歳~90歳以上のすべての受給権者における「平均年金月額」と「受給額分布」についても見ていきます。
5.1 「厚生年金+国民年金」男女別平均年金月額・受給額分布
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
受給額分布(1万円刻み)
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金では、全体の平均年金月額は14万6429円という結果でした。男女の平均を比較すると、男性16万6606円、女性10万7200円で、およそ6万円もの開きが見られます。
5.2 「国民年金」男女別平均年金月額・受給額分布
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
受給額分布(1万円刻み)
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金では、全体および男女ともに平均年金月額は5万円台となっています。
「6万円以上~7万円未満」がもっとも厚い受給層となっており、多くの人が満額に近い年金額を受け取っていることが読み取れます。
6. 老後生活に「必要な金額」をチェックしておきましょう
ここまで日本の年金制度や、60歳代~90歳以上のシニア世代が受給している「平均年金月額」について解説しました。
年金額は、物価などに応じて毎年度調整されており、2025年度は前年比2.7%増となっています。
しかし、実際のところ年金額は増加しているものの、物価の上昇には追い付いていません。
厚生年金や国民年金などの公的年金は2カ月に一度の支給となるため、年金生活において「計画的な家計管理」が不可欠です。
老後資金について考える際は、「生活費」や「年金見込額」を確認したうえで、物価上昇のなかでも生活していけるよう「必要な金額」を把握することが大切です。











